PF-JPA
 
【国会】
第156回国会における小泉内閣総理大臣施政方針演説
平成15年1月31日
 抜粋

経済再生に向けた取組)
 全国どこでも司法を身近に利用できる社会を実現するため、総合的かつ集中的に司法制度改革を進めます。第1審が2年以内に終わることを目指して裁判を迅速化するための法案など、改革関連法案を提出します。

(潜在力をいかした挑戦)
 小柴さん、田中さんのノーベル賞受賞は、日本人を勇気づける素晴らしいことでした。昨年、日本人の業績が世界で高く評価されたのは、ノーベル賞だけではありません。カーボン・ナノチューブを発見した飯島澄男さん、青色発光ダイオードを初めて実用化した中村修二さんは、ノーベル賞の登竜門とも言われる米国のベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞しました。中西香爾さんは、生物活性物質の研究で、アラブのノーベル賞と言われるキングファイサル国際賞の栄誉に輝きました。建築家の安藤忠雄さんは、米国建築家協会の最高賞である金メダルを授与されました。
 科学や技術の分野だけではありません。輸入が急増する厳しい経営環境の中、タオル産地今治市の企業3社は、商品企画力を高く評価され、米国の国際展示会でグランプリの栄誉を得ました。アニメ映画「千と千尋の神隠し」は、芸術性が世界で高く評価され、ベルリン国際映画祭の最優秀作品賞や、ニュー・ヨーク映画批評家協会のアニメ部門最優秀作品賞を受賞しています。今井千恵さんと谷口郁子さんの2人の日本人女性が、世界女性起業家賞に輝きました。日本は高く評価されています。
 科学技術、バイオテクノロジー、知的財産、IT、都市再生、構造改革特区など日本再生の鍵を握る分野について、政府を挙げて取り組み、政策の方向を示してきました。様々な分野での挑戦をしっかりと後押ししてまいります。

(科学技術と環境)
 「科学技術創造立国」の実現に向け、平成15年度の一般歳出を厳しく抑制する中で、対前年度比3.9%増の科学技術振興予算を措置し、遺伝子レベルで個人個人にあった予防や治療を可能にする研究開発などを、重点的に支援してまいります。また、1兆2000億円に上る研究開発・投資減税を行います。
 新たな技術への支援は、新たな産業の振興につながります。バイオベンチャー企業は急増しており、昨年までに300社を超えました。イネゲノムの解読は、昨年12月、日本の主導により終了しました。官民挙げてバイオテクノロジーの発展に取り組んでまいります。
 特許審査の迅速化、特許をめぐる裁判制度の改革、模倣品・海賊版対策の強化を行い、知的財産立国を目指します。

   

この記事は弁政連フォーラム第123号(平成15年2月25日)に掲載されたものです。

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