PF-JPA
 
【国会】
特許法等の一部を改正する法律案について
平成15年2月
経済産業省
特  許  庁
 1.法律改正の目的
「知的財産戦略大綱」(平成14 年7 月決定)実施のため、以下の改正を行う。
「出願者間の費用負担不均衡の是正」「適正な審査請求行動の促進」を図る観点から特許関連料金を改定
◇ 特許に係る「紛争の迅速かつ的確な解決」のため紛争処理制度を合理化
「国際的権利取得の円滑化」の観点から特許出願・審査制度を国際的に調和

 2.法律改正の概要
1.特許関連料金制度の改正
 (1)戦略的な特許取得を奨励する料金体系への移行
  審査に係る経費を勘案しつつ、出願人の間のコスト負担の不均衡を是正するとともに、適正な審査請求行動の促進を図るため、出願手数料と特許料を減額、審査請求手数料を増額し、同時に特許一件当たりの総費用を軽減することにより、出願人の戦略的な取組に対するインセンティブの強化を図る。
(2)審査請求手数料返還制度の導入
  審査請求後、権利取得の必要性が低下した出願を取り下げた場合、請求により審査請求手数料の一部を返還する制度を導入し、出願人が費用を節減する機会を提供する。
(3)減免措置の見直し
  産業技術力強化の観点から、特許料・審査請求手数料の軽減措置の対象に地方公共団体の試験研究機関等を追加。また、減免措置の対象者が権利を共有する場合、その持分に応じて各自の減免措置の適用を受けるよう規定を整備する。
2.特許権に関する迅速かつ的確な紛争処理の実現
(1)特許の有効性を争う紛争処理制度の一本化
  特許の有効性を争う制度として併設されている異議申立制度と無効審判制度を新たな無効審判制度に統合・一本化し、紛争解決の短縮化、当事者負担の軽減を図る。
(2)特許の有効性を争う事件の迅速な解決
  無効審判の審決をめぐり、特許庁と東京高裁の間で事件が行き来する状況を合理的に遮断することにより紛争の迅速な解決を図る。
3.国際的権利取得の円滑化
 国際的権利取得に係る出願人の負担を軽減し、その円滑化を図るため、複数の発明を一通の願書にまとめて出願できる要件(発明の単一性の要件)を国際的に調和させるとともに、国際特許出願について自動的に全締約国に出願したとみなす制度を導入。

 3.今通常国会に提出する必要性
 本法律案は、「知的財産戦略大綱」(平成14年7月3日知的財産戦略会議決定)において、「知的財産立国」の実現に向け、今通常国会への提出が明記されている事項を含む。したがって、本法律案の早期の成立が必要。


   

この記事は弁政連フォーラム第124号(平成15年3月25日)に掲載されたものです。

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