PF-JPA
 
【国会】
○衆議院「経済産業委員会」
平成15年4月
4月15日(火)(第11回)
特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第62号)
不正競争防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第63号)
不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第64号)

上記各案について、平沼経済産業大臣及び福田国務大臣(内閣官房長官)から提案理由の説明を聴取した。

特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六二号)概要

 本案は、我が国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性が増大している状況にかんがみ、知的財産の迅速かつ適正な保護の要請に対処するため、特許権の取得等に係る費用負担の適正化を図る観点から特許関係料金の改定その他料金納付に係る制度の見直しを行い、迅速かつ的確な紛争処理を促す観点から異議申立て、審判及び審決取消訴訟に係る制度を合理化するとともに、特許制度の国際的調和を進める等制度の改善を図るものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 特許料及び特許出願の手数料を引き下げる一方、出願審査の請求の手数料を引き上げる。
二 特許出願の取下げ等があった場合に出願審査の請求の手数料の一部を返還する制度を導入する。
三 公的研究機関等に対する特許料及び出願審査の請求の手数料等の減免措置の見直しを行う。
四 特許異議の申立てを特許無効審判と統合する一方、特許無効審判を請求できる者の範囲を拡大する。
五 特許無効審判の審決取消訴訟係属中の訂正審判を請求することができる期間を制限するとともに、当該訴訟中に訂正審判が請求された場合等に裁判所が事件を無効審判に差し戻すことを可能とする制度を導入する。
六 特許協力条約に基づく国際出願について、全締約国に出願したとみなす制度を導入する等の特許制度の国際的調和を進める。
七 この法律は、平成十六年一月一日から施行する。ただし、一から三については平成十六年四月一日から施行すること等とする。

不正競争防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第六三号)概要

 本案は、我が国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性の増大、経済社会の情報化等にかんがみ、事業者の営業上の利益を適正に保護し、事業者間の公正な競争を確保するため、損害額の算定方式の見直しその他の営業上の利益の侵害に対する救済措置の充実を図るとともに、営業秘密の不正な使用、開示等営業秘密に係る不正競争に対する罰則を設ける等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 他人の商品等表示として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を不正に使用した商品を電気通信回線を通じて提供して、混同を生じさせる行為等が、「不正競争」に該当することを明確にし、及びこの法律にいう「物」には、プログラムが含まれることを明確にする。
二 不正競争行為による営業上の利益の侵害によって生じた損害額及びその侵害の行為の立証を容易化するため、逸失利益の立証容易化規定の導入、書類の提出命令の拡充等を行う。
三 他人の営業秘密を詐欺等の行為又は管理を侵害する行為によって不正に取得した後、それを不正の競争の目的で使用し、又は開示した者、営業秘密を保有者から示された役員又は従業者であって、不正の競争の目的で、営業秘密の管理に係る任務に背き、その営業秘密を使用し、又は開示した者等を、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する旨の規定を設ける。
四 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第六四号)概要

本案は、最近における商品又は役務の取引に関する表示をめぐる状況にかんがみ、
公正な競争の確保による一般消費者の利益の一層の保護を図るため、商品又は役務の内容について実際のものよりも著しく優良であると示す表示につき事業者が合理的な根拠を有さない場合の措置を講ずるとともに、排除命令に係る手続の改善を行う等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 公正取引委員会は、商品又は役務の内容について実際のものよりも著しく優良であると示す表示等に該当するか否かを判断するために必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることとし、この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、当該表示を不当表示とみなすものとする。
二 排除命令に係る告示手続を廃止するとともに、これに伴う書類の送達規定の整備を行う。
三 都道府県知事が指示することができる事項を拡充するとともに、違反行為が既になくなっている場合においても指示することができることとし、また、都道府県知事が行う立入検査の妨害等を行った者に対する罰金の上限額を三万円から五十万円に引き上げる。
四 この法律は、一については、公布の日から起算して六月を経過した日から、それ以外については、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。


   

この記事は弁政連フォーラム第125号(平成15年4月25日)に掲載されたものです。

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