PF-JPA
 
【国会】
知的財産国家戦略への道のり 知的財産制度に関する議員連盟 会長
衆議院議員  甘 利  明
 「知的財産国家戦略」。この言葉を聞く度に『よくぞここまで』という思いが込み上げてきます。
  6〜7年前から日本の国際競争力の低下に警鐘を鳴らす声が大きくなり「高コスト構造の是正」が声高に叫ばれてきました。爾来、私の脳裏を離れないのは「本当にそれで日本は勝てるのだろうか」という思いでした。
  生産性の向上や規制緩和による高コスト構造の是正は不断の課題です。しかし、最後の高コストは人件費に行き着くはずです。賃金を下げて対抗しようとする結末は、生活水準の低下をもたらします。政治の目的が 国民生活の安定と向上にある以上、それは政治の敗北を意味します。「高コスト構造の是正」から「たとえ高コストでも勝ち抜ける体質へ」の戦略展開をしていくことこそが真の救国政策であるとの思いから、知財戦略 を構築しようと決意するに至りました。
  知的財産の創造・保護・活用のすべてのステージでの環境整備を行い、3つの要素をサイクルとして円滑につなげ、その輪を加速度的に拡大していく上昇スパイラルを構築することです。
  発意から6年、ようやく政府の最重要課題になりました。感慨ひとしおです。



知的財産制度への期待 自由民主党国会対策副委員長
衆議院議員 原 田 義 昭
 昭和56〜7年、私は特許庁(総務課)に奉職したが、これが知財制度と本格的に取り組んだ最初である。審査官や弁理士諸氏とも多く付き合った。特許出願が40数万件を越し、 それ故に審査期間が国際水準に比較しても大変長く、制度改善の必要性が叫ばれた。そこで出願料等を大幅に値上げして、その収入を全て特別会計の中に取り込み、専ら特許行政目的の為に使うこととした。これが 今日の特許特別会計である。新しい特許庁ビルが建ったこと、全ての業務がペーパーレス化したのもその直接的な効果である。
 いつの時代も、日本人の数少ない資産は「頭脳」であり、「知恵」である。知財制度自体は既に法制的にも、また国際的にも確立されている。あとはこの知財の枠組みをいかに上手に活用して経済的社会的利益、 更には国益にまで結びつけるかである。そこに携わる人材をいかに育て(国際競争力に強い)また紛争を有利に迅速に処理する制度を考えるか。特許裁判制度の導入はもちろんのこと弁護士、弁理士、隣接士業等の 垣根をもっと低くして、お互いに競争しながら創意工夫が生かされるよう(規制緩和)しなければいけない。外国の模倣にも厳しい鉄槌を加えなければならない。
  国会議員になっても、特許庁ビルの横を通るたびにそんなことを考える。



この記事は弁政連フォーラム第127号(平成15年6月25日)に掲載されたものです。

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