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【国会】
「知財づくりの担い手の皆様へ」 自由民主党国会対策委員長
衆議院議員 中 川 秀 直
我が国はこれまで世界に冠たる「ものづくり」のシステムを築き上げることに成功し、この結果1980年代の我が国は欧米列強の注目を集める存在であった。それが“失われた10年”といわれる1990年代に入って、この様な状況は激変した。バブル経済崩壊以降、長期化する不良債権問題など、数々の要因が複合的に重なり合い、我が国はいまだに未曾有の不況から脱却できない状況にある。その要因として考えられる一つの理由は「環境の変化とそれへの対応の遅れ」が指摘できるだろう。我が国がこれまでの成功体験ゆえに旧態依然とした制度に甘んじ従来の“日本型モデル”を大胆に変革することができなかったのである。そこで我々は知的財産を戦略的に“創造”“保護”及び“活用”することにより活力ある経済社会を実現する為の国家像として昨年7月に「知的財産戦略大綱」を取りまとめ、その中で「知的財産立国」を目指すこととした。「知的財産立国」とは従来の「ものづくり」に加えて、技術、デザイン、ブランドや音楽、映画等のコンテンツといった価値ある「情報づくり」を産業の基盤に据えることにより、我が国経済社会の再活性化を図るというビジョンに裏打ちされた国家戦略である。あらゆる制度を支えるのは人である。「知的財産立国」の実現にはまさに知的財産創造の担い手の皆様のお力が不可欠であります。特許の関係で申し上げると、2004年の通常国会に、50万件といわれる審査未着手案件(いわゆる滞貨)の縮減と、世界最高レベルの迅速、的確な審査を実現するため、「特許審査迅速化法案(仮称)」を提出する予定であります。我々は皆様方と共に世界に名だたる「知的財産立国」の一日も早い実現に向け、邁進して行こうではありませんか! 





この記事は弁政連フォーラム第130号(平成15年9月25日)に掲載されたものです。

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