PF-JPA
 
【官公庁】
                  
工業所有権審議会弁理士審査分科会試験制度部会
特定侵害訴訟代理業務試験準備小委員会 議事要旨
平成14年11月22日
特許庁秘書課弁理士制度企画班


 平成14年11月8日(金)午前、工業所有権審議会弁理士審査分科会試験制度部会第1回特定侵害訴訟代理業務試験準備小委員会(委員長:牧野利秋・ユアサハラ法律特許事務所弁護士・弁理士)が開催された。

1.委員会の趣旨
 特定侵害訴訟代理業務試験準備小委員会は、弁理士に信頼性の高い能力担保措置を講じた上で特許権等侵害訴訟における代理権を付与することを内容とする「弁理士法の一部を改正する法律」(平成14年法律第25号)が平成14年4月17日に公布されたことに伴い、平成15年度から実施される特定侵害訴訟代理業務試験の試験制度について検討する。
 また、本準備小委員会は、「弁理士法の一部を改正する法律」施行後(平成15年1月を予定)は、工業所有権審議会弁理士審査分科会特定侵害訴訟代理業務試験制度部会に移行して、審議を継続する。

2.審議内容
(1)事務局説明
 事務局より、「弁理士への特許権等の侵害訴訟代理権の付与について」(資料2)を中心に、弁理士に特許権等の侵害訴訟代理権を付与する前提となる能力担保措置についてのこれまでの検討経緯を説明し、事務局案として特定侵害訴訟代理業務試験の基本方針案(資料4)及びその論点(資料5)を提示した。
(2)自由討議
  事務局案を中心に自由討議を行ったところ、委員からの意見は概ね以下のとおり。

 【1.試験の出題の方法について】
  ・ 別紙1A案は時間的に無理であり、B案あるいはC案が現実的である。
  ・ 試験は訴状等の書式を問うのではなく、研修の効果を確認するものとすべき。
 試験問題としては、侵害訴訟の代理人として必要とされる実務能力を問う問題とすること、また、出題の方向性としては、B案の2、あるいはC案のイメージとすること、試験問題は非公開として解答すべき論点のみ試験終了後に公開することで意見が一致した。

 【2.試験委員の選定について】
・ 試験の公平性の観点からは、研修講師と試験委員は別とするのが望ましい。
・ 研修との継続性の観点、及び、人的資源の問題から、研修講師から選定するのはやむを得ない。
・ 試験委員の氏名を公表すべき。
 原則として試験委員は研修講師の中から選任することとするが、研修講師以外の有識者も試験委員に含めることを検討し公平性を担保することで意見が一致した。

 上記の他、試験時間中の参考資料の範囲、答案採点時の措置等について意見があり、他の資格試験等の状況について次回の部会で事務局から資料を提示し、審議することとなった。

 特定侵害訴訟代理業務試験の基本方針案(資料4)のその他の事項については了承された。

3.今後の審議スケジュール
 次回は、改正弁理士法施行後に工業所有権審議会弁理士審査分科会に設置される特定侵害訴訟代理業務試験制度部会に移行して審議を行う。日時については未定。
 当該部会において特定侵害訴訟代理業務試験の基本方針を決定し、特許庁ホームページに公表していく予定。

(配付資料)
 議事次第
  委員名簿
  資料1 特定侵害訴訟代理業務試験準備小委員会設置の趣旨について
  資料2 弁理士への特許権等の侵害訴訟代理権の付与について
  資料3 能力担保措置の実施に関する研究会報告書
     ・(教材骨子案1) 「特許権等侵害訴訟手続の解説」
     ・(教材骨子案2) 「起案の手引き」
     ・(教材骨子案3) 「特許権等侵害訴訟における請求の趣旨と要件事実」
     ・(教材骨子案4) 「法曹倫理」
     ・ 参考資料集
  資料4 特定侵害訴訟代理業務試験の基本方針(案)
   別紙1 試験出題方法(案)
   別紙2 特定侵害訴訟代理業務試験の合格基準及び採点基準について(案)
  資料5 議論にあたっての論点整理
  参考資料1 司法修習生考試と特定侵害訴訟代理業務試験(案)の対比表
  参考資料2 弁理士試験論文式筆記試験の合格基準及び採点基準

(特許庁HPより抜粋)


   産業構造審議会知的財産政策部会第3回特許制度小委員会の概要
平成14年11月18日
経済産業省特許庁


 11月15日標記委員会(委員長:後藤晃東大教授)が開催されたところ、概要は以下のとおり。冒頭、事務局から日米の審査協力についての進捗状況報告。

1.審査制度
 ・国際競争力確保の観点から国際出願が不可欠の中で、出願書類の補正、一度の出願書内に含まれる発明の範囲の規定、特許請求の範囲の記載要件などは国際的な制度の調和という現在の事務局案の方向で検討すべき。
 ・特許請求範囲の記載要件の明確化については、制度改正よりも審査官と出願人との間の意志疎通が重要ではないか。
 ・大学等が原理特許を取得する場合や技術動向の早い先端分野で、補正の範囲を広くすることは有意義。他方、成熟した技術分野では、補正の拡大により権利間に抵触がおきやすく、混乱を招く可能性が大きいのではないか。
 ・早期審査の急増は、他の案件の審査待ちが深刻化する可能性があり、公平性・透明性を担保すべきであり、実施関連以外は慎重に検討すべき。他方、業種によっては外国出願の場合の早期審査制度はメリットあり。また、ベンチャー企業については早期審査を推奨すべき。
・同一の審査請求人の案件は、審査請求の順番にかかわらず、審査の順番を変更可能にすべき。他方、(複数の委員から)慎重に対応すべきとの意見あり。
 ・民間調査機関は、審査請求料金を上げれば市場ができ、状況が好転するのではないか。
 ・特許庁の持つ情報は広く使うべきであり、特許電子図書館(IPDL)は、サー ビスの拡張を含め一層使いやすくすべき。

2.料金制度
 ・審査請求取り下げ分の料金返納制度創設については様々な観点から検討すべき。
 ・EPOによる調査報告添付の場合の料金一部減免は国際出願奨励につながる。
 ・審査請求料を上げる場合には、即時導入可能な着手時払い制度を検討すべきではないか。
 ・特許料金を下げる場合には、累進制については全体としてのバランスに留意すべき。
 ・特許審査の迅速化のためには、料金体系の見直しだけでなく総合的な対策で対応すべき。
 ・企業としては、長期的にはメリットのある料金体系の見直し案には賛成だが、知的財産部としての予算の制約があるため短期的には何らかの影響緩和策について引き続き検討していただきたい。

3.議論の結論と今後のスケジュール
 委員会では、今後我が国が目指すべき、迅速かつ的確な特許審査の在り方として、補正の見直し、料金体系の見直し、早期審査制度などを含めた総合的な対策を講ずることの必要性について、多くの委員から様々な意見が出たため、今後、事務局において、産業界など関係方面と具体的な議論を深め、次回までに、迅速かつ的確な特許審査の在り方について、できる限り総合的な対策案を作成し、次回の委員会において中間的な報告をとりまとめることとなった。
 次回、第4回委員会は12月12日(木)15時半から、中間とりまとめ案について審議予定。

(特許庁HPより抜粋)

この記事は弁政連フォーラム第121号(平成14年12月25日)に掲載されたものです。

Copyright © 2000 Political Federation of JPA, All rights reserved.
日本弁理士政治連盟 〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-4-2,弁理士会館内
E-mail: info@benseiren.gr.jp
Tel: 03-3581-1917 Fax: 03-3581-1890
更新日: