今月のトピックス

１．知的財産高等裁判所　４月１日スタート

２．不正競争防止法の一部等を改正する法律案国会上程へ

３．商標法の一部を改正する法律案国会上程へ

１．知的財産高等裁判所　４月１日スタート
　知財高裁は、篠原裁判長以下１８人の裁判官により、東京高裁の特別の支部として４月１日スタートした。
　裁判官会議及び事務局を有すると共に、特別部（大合議部）及び第１〜４部から構成され、裁判所合同庁舎１７階に開設された。知財高裁は、特許等の侵害事件控訴審、及び特許庁の審決等取消訴訟について、事物的に全国的な専属管轄を有する。
　知財高裁の創設は、日本の国の姿として知的創造立国のグランドデザインの司法面における象徴的取組みを示すものであり、適正かつ迅速な知財裁判によって知財戦略を実現しようとする国家意思の現れととらえられる。
　独自のホームページ（http://www.ip.courts.go.jp）を開設して知財裁判情報の対外発信に努めると共に、期待すべき専門性の強化のため裁判官研修の充実（技術系大学院派遣など）が図られ、調査官及び専門委員の積極的活用が謳われている。
　今後、その専門性が一層強化され、我が国の知財裁判のみならず、世界の知財裁判をリードするような国際的にも高い評価が得られるよう発展することが切望される。

２．不正競争防止法の一部等を改正する法律案国会上程へ
(1)　営業秘密の保護強化､(2)模倣品・海賊版対策の強化、及び(3)関連法規の整備が行われと共に(4)弁理士について、裁判外紛争解決手続（ＡＤＲ）における弁理士の代理権の整備が図られる。
　(4)は、刑事罰導入に伴う弁理士の欠格事由の追加と、ＡＤＲにおける弁理士の代理権の拡充として、著作権紛争、ＡＤＲ機関の拡充及び調停代理権の明確化が図られる。これはＡＤＲ基本法に沿う弁理士の活用策の一環であり、司法制度改革推進本部の方針に従った改正案である。

３．商標法の一部を改正する法律案国会上程へ
　地域ブランドの保護の強化のため、地域団体商標制度を導入し、もって地域産業の活性化を図るものである。知財専門家たる弁理士の地域への一層の貢献が期待される。