PF-JPA
士業の労働者派遣に関する
   日本弁理士会の意見


日本弁理士会
会長 佐藤 辰彦

日本弁理士政治連盟
会長 加 藤 朝 道

  当会は、構造改革特区において検討が行われている弁理士の労働者派遣問題に関し、以下のとおり意見を提出するので、ご高配を賜りたい。

[意 見]
  弁理士の労働者派遣については、弁理士業務が、依頼者の企業秘密情報を一度取得した以後は、弁理士と依頼者との間で持続的に利用可能な技術・経営に関する企業秘密情報を多く取り扱うものであるため、特有の利益相反や守秘義務などの問題を生じるということに鑑み、弁理士制度との整合上大きな問題がある。
  したがって、基本的に依頼者との継続的関係を前提としてのみ成り立つことが多い弁理士制度の趣旨に則り、社会の弁理士派遣に対するニーズの実態に関する調査を行い、弁理士制度ひいてはその顧客である企業等のユーザーに支障を来たさないかを検証した上で、派遣の是非を決めるべきである。
  仮に、弁理士の労働者派遣を行う社会ニーズが存在する場合には、上記の弁理士業務の特殊性に鑑み、以下の観点を十分に考慮すべきである。

1.弁理士の非独占業務と独占業務は、弁理士法上は形式論としては区別することが可能であるが、弁理士が業務を行う際の実際では、記憶して蓄積された「情報」があることにより両者一体となり、そのように区別することは意味をなさない。
したがって、弁理士の労働者派遣を行う場合には、非独占業務と独占業務の両者を区別して考えることは実態にそぐわない。

2.弁理士の労働者派遣を行う場合には、弁理士法上の規定である守秘義務の遵守(第30条)、利益相反行為の回避(第31条)など依頼者保護のための措置を最大限担保する形で行うべきである。
そのため、弁理士の派遣元を特許業務法人に限定し、派遣先を特許業務法人並びに特許(弁理士)事務所に限定するといった弁理士法の枠組みの中で行うべきである。




以上

この記事は弁政連フォーラム第154号(平成17年9月25日)に掲載したのものです。
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