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今月のトピックス
   
 弁理士の人材育成議論スタート
 1.知的財産人材育成総合戦略案
   1月30日・2月17日 知的創造サイクル専門調査会(知的財産戦略本部)
 2.日本弁理士会の要望
 3.産業構造審議会知的財産政策部会開催  2月15日
   弁理士制度小委員会の立ち上げ決まる。




弁理士の人材育成議論スタート

1.知的財産人材育成総合戦略案
   1月30日・2月17日 知的創造サイクル専門調査会(知的財産戦略本部)

 第5章第4節c)弁理士の項で@政府がとるべき方策として、
1.弁理士の増加を図ることにより、弁理士業務の競争を促し、利用者に質の高いサービスが提供され
  る環境を整える。
2.現状の弁理士試験の問題点を分析し、必要な弁理士試験制度の改革を行う。
3.弁理士の実務能力向上のため、研修のあり方等について検討を行い、結論を得る。
  等が2月17日まとめられた。
 1月30日 下坂スミ子委員の意見の骨子:
  「国による弁理士大増員が行われて、研修の実施は民間ベース任せとされている。養成責任は個人の責任としているのは、戦後の生めよ増やせよというようなもの。
  登録前研修の実現を法改正を視野に入れて進めるべき。」
 当連盟の見解:
 第1項は量のみに増加でなく、質の担保なくしては、質の高いサービスは実現できないので、国家資格の専門性担保の視点から、見直しが必要である。第2項は、日本弁理士会及び当連盟の要望が反映され、「改革を行う」と一歩踏み込んだ形となった。第3項については、さらに弁理士の実務能力の制度的担保のための研修制度の導入が、課題にされるべきことを、今後訴えていきたい。

2.日本弁理士会の要望
 2月7日内閣府知的財産戦略本部・知的創造サイクル専門調査会及び推進事務局荒井局長宛
 骨子は次のとおり:
  「技術と法律の素養を備えた、国際性のある知的財産専門家としての弁理士」(日本弁理士会総会決議による弁理士制度枠組み)を育成するため、弁理士試験制度を充実すると共に、登録前研修の義務化を含む新しい弁理士試験研修制度の実現を、弁理士法の改正法案の提出も含めて図る。
 知的財産基本法の施行の状況で確認されているとおり、弁理士の数は毎年急増しており、2005年度は711名の合格者に達している。しかしながら、実務未経験者が3割に達し、実務能力の担保が出来ていないこと(当会の調査結果)、条約を論文式試験から除いたため国際性の素養の担保がなされなくなっていること(当会の調査結果)、更に論文式試験における技術系科目と法律系科目のあり方が必ずしも社会が弁理士に求める素養を担保するものとはなっていないこと等、弁理士の質の面における育成が図られる形にはなっていない。
 この問題を解決するためには、試験制度の充実(法律事項)並びに登録前義務研修制度の創設(法律事項)によって、弁理士の実務能力を制度的に担保していく必要がある。
 ついては、上記趣旨を反映した提言がなされるよう、ご検討をお願いする。」

 17日には、その最終とりまとめがあり、24日知的財産戦略本部会合に報告される。日本弁理士会の要望が、どこまで反映されるかは、今後の議論の進展次第である。我々は弁理士の実務能力の担保のため登録前研修制度の導入が具体的課題とされるよう、今後各方面に働きかけを行いたい。

3.産業構造審議会知的財産政策部会開催  2月15日
  弁理士制度小委員会の立ち上げ決まる。

  平成12年弁理士法改正の5年後見直しに当たり、本年4月より隔月1回程度開催され、12月頃報告とりまとめの予定。
主な検討項目
 (1)弁理士資格付与の在り方(研修制度の在り方含む)
 (2)弁理士試験科目及び免除対象
 (3)業務範囲
 (4)業務を行い得ない事件
 (5)特許業務法人制度
 (6)弁理士情報の公開   等

 研修制度の在り方を含め、弁理士資格付与の在り方が検討課題とされる。
 日本弁理士会の総会決議による改正の方向性に沿った形のものが実現するよう、弁政連は強力に推進したい。

(弁政連会長 加藤朝道)

この記事は弁政連フォーラム第159号(平成18年2月25日)に掲載したのものです。
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