PF-JPA

弁理士試験合格者の
量から質への転換を図るべき!







  

furuya.fumio
日本弁理士政治連盟
会長 古 谷 史 旺



  本年度の弁理士試験合格者は、去る11月10日に最終発表され、昨年より239名も多い813名が合格した。公表されたデータによれば、合格率は8.5%で昨年の5.9%を大きく上回った。昨年もそうであったが、論文選択科目免除者は合格者の82%に達しており、一般受験者の17%を圧倒しており、一般受験者から見れば、不平等な試験制度が顕著になり、魅力を失わせる原因となっている。

 政府所轄の知的財産戦略本部で発表された「知的財産推進計画2008」までは、弁理士の“大幅な増員”が謳われていたが、「知的財産推進計画2009」では“必要な増員”に軌道修正されている。これは、過疎地対策として弁理士会が取り組んで来た全国規模でのネットワーク化がほぼ完成し、過疎地域からの相談に即座に対応できる体制づくりが評価されてのことである。

 改めて議論するまでもなく、「弁理士」へ仕事を依頼する国民は、国家資格取得者である「弁理士」に対し、一定品質が担保されているものと信頼し、仕事を依頼する。
 弁理士試験合格者の約40%は実務未経験者である。弁理士登録前研修が義務化されたとは言え、“出願明細書を100件書いて一人前”と言われる業界において、僅か40日余の研修で「弁理士」としての一定品質が担保される訳がない。

 知的財産を国家戦略と捉える思想が、今も継続されているのであれば、野にあって知的財産を支える弁理士試験合格者の量から質への転換を図り、加えて、不平等感が否めない試験制度を改革し、制度を利用する国民から真に信頼される「弁理士」を生み出す仕組みを再構築すべきである。



この記事は弁政連フォーラム第202号(平成21年11月25日)に掲載したのものです。
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