PF-JPA



新年のご挨拶
〜再び闘う弁政連に転ずるとき〜



  

furuya.fumio
日本弁理士政治連盟
会長 古 谷 史 旺



  新年おめでとうございます。
 昨年はリーマンブラザーズの経営破綻に端を発した世界同時不況の波に我が国も飲み込まれ、翻弄され、多くの国民が藻掻き苦しんだ一年でありました。
 8月に行われた衆議院議員の総選挙で民主党が大勝利を収め、政権を奪取し、経済の立て直しが一気に加速するかと期待しましたが、麻生総理の時と同じように鳩山総理の指導力・決断力が問われる事態を引き起こしています。
 大層な言い方に聞えるかも知れませんが、日本弁理士政治連盟を預かる私も同じ評価を受ける立場にあり、身の引き締まる思いでおります。
 
 副総理兼国家戦略担当兼科学技術政策担当大臣の菅直人議員は、我々の身近な存在であり期待も信頼も極めて大きいわけですが、藤井財務大臣の突然の辞任の後を引き継いで財務大臣に就任され、国家戦略担当は仙谷行政刷新担当大臣が兼務となり、科学技術政策担当も川端文部科学大臣が兼務することとなり、やや距離をおく存在になってしまいました。
 
 我々日本弁理士政治連盟の立場からすれば、また振り出しに戻った感は否めず、誠に難しい局面を迎えてはおりますが、鳩山総理が10月26日に行われた臨時国会の所信表明演説で、『世界最高の低炭素型産業、「緑の産業」を成長の柱として育てあげ、……先端分野における研究開発、人材育成の強化などにより、科学技術の力で世界をリードする……』といった“技術立国”回帰への宣言を重く受け止め、弁理士の立場から更なる提言を行いたいと念じております。
 
 一方、我が国の特許出願件数は、この3年間で約10万件の減少となっており、弁理士の関与率を7割、出願総手数料(図面等を含む)を20万円と考えても、ザックリ言って140億円の手数料が消えています。
 にも拘わらず、昨年の弁理士試験合格者は前年を遙かに超える813名となっています。マーケットが縮小する中で人数を増やし続ければ何が起こるのか。
 過当競争による特許事務所の疲弊です。放置すれば、やがて優秀な弁理士や所員を抱える特許事務所も経営が成り立たなくなり、弁理士や所員を路頭に迷わすことになります。経営と技術力は、必ずしもイコールではありません。技術が抜群でも経営に劣る特許事務所は消え、技術はないが経営に長けた特許事務所が生き残る、そんな現実に目を逸らせていれば、やがてそのツケは、日本の産業競争力の低下に繋がることになります。
 
 日本の技術立国を支えているのは、紛れもなく弁理士であり、特許事務所です。弁理士を志す受験動機は、一定水準以上の収入と社会的評価です。
 
我々は、現在、弁理士で必死に頑張っている会員のため、また、夢と希望をもって弁理士を志す者のため、一定水準以上の収入と社会的評価が得られる弁理士制度の再構築を求め、“再び闘う弁政連に転ずるとき”をヒシヒシと肌で感じ、武者震いを抑えきれません。
 
 この一年間における会員各位の、更なるご活躍を祈念するとともに、日本弁理士政治連盟に対する一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。


 


この記事は弁政連フォーラム第204号(平成22年1月25日)に掲載したのものです。
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