PF-JPA


外国法事務弁護士の法人化について
─最終報告─



  

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日本弁理士政治連盟
会長 古 谷 史 旺

  このたび、外国法事務弁護士の法人化について決着がつきましたので、これまでの経緯を踏まえてご報告させて頂きます。
 当初、法務省は平成23年の通常国会(第177回)において「弁護士法人等に関する法律案(仮称)」を提出する予定でありました。当該法案は、いわゆる「外国法事務弁護士のみが社員となり、外国法に関する法律サービスの提供を目的とする法人制度(A法人制度)」と「日本弁護士及び外国法事務弁護士が共に社員となり、法律サービス全般の提供を目的とする法人制度(B法人制度)」という2つの法人制度を導入するものであります。
 日本弁理士会と日本弁理士政治連盟は、当該法案については国益と産業政策の上で問題があること、弁理士業務にも重大な影響を及ぼすことから国会提出を阻止、とりわけ「B法人制度」については、悪影響が更に拡大する恐れがあることから断固反対してまいりました。
 第177回通常国会で当該法案は「提出予定法案(検討中)」という位置付けになり、法務省も他の重要法案との関係、国会会期内における審議時間との関係、加えて我々の反対運動が功を奏し、国会提出を断念するとの情報を聞き及び、一安心しました。しかし、まだ予断を許さないことからウオッチし続けてまいりました。
 ところが、平成23年9月になって、法務省は「弁護士法人等に関する法律案(仮称)」を次期通常国会(第180回)に再度提出するとの情報がもたらされ、日本弁理士会と日本弁理士政治連盟は、猛烈な反対運動を展開いたしました。
 あらゆる知財関係国会議員と各政党に対し、次のとおり当該法案の国会提出反対の陳情活動を展開いたしました。

〔主な陳情活動〕
○加藤公一民主党国会対策委員長代理との会談で陳情(9月29日)
○小林興起法務委員会委員長との会談で陳情(10月7日)
○公明党知的財産制度に関する議員懇話会での陳情(10月24日)
○枝野幸男経済産業大臣との会談で陳情(10月31日)
○民主党第1回知的財産制度改革推進議員連盟での陳情(11月9日)
○民主党第2回知的財産制度改革推進議員連盟での陳情(11月30日)
○平岡秀夫法務大臣との会談で陳情(12月12日)
○藤末健三知財議連事務局長と法務省との会談(12月20日)
○民主党第3回知的財産制度改革推進議員連盟での陳情(12月27日)

 我々の陳情活動の結果、知財関係国会議員と各政党の強力なご支援もあって、法務省は我々の当該法案に対する懸念、要望に理解をお示し頂き、B法人制度の導入を断念されA法人制度のみの導入に見直しを行なうことを提示されました。
 我々は、法務省のA法人制度のみの導入を行なうという考えは、懸念を全部ではありませんが部分的には解消するものであると判断できることから、これまでの法務省との関係を考慮し、この辺で終了させることが相当と判断いたしました。
 最終的に、法務省は平成24年通常国会(第180回)に「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案」として、A法人制度のみを整備する法案を提出することに至りました。
 日本弁理士会と日本弁理士政治連盟は、会員の皆様の懸念を解消するため最大限努力しましたが、様々な要因を勘案し矛を収めさせて頂きました。また、我々の活動にご支援を頂いた知財関係国会議員の皆様には心から感謝申し上げ、法務省にはご理解と的確なご判断を頂いたことに敬意を表させて頂きます。
 

 

この記事は弁政連フォーラム第228号(平成24年2月25日)に掲載したのものです。
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