PF-JPA



どう構築する
21世紀型の弁理士像


日本弁理士政治連盟
副会長  岡田 英彦


  平成14年7月5日の朝日新聞(朝刊)で発表された「一からわかる知的財産戦略」の記事によれば、知的財産を政府が重視する理由として過去の大量生産型のモノづくりでは、これからの国際競争に勝てないことがあげられています。そして、これからの有望な開発分野としては生命科学・ナノテク・最先端の半導体・アニメなどの産業分野であることが提示されています。また、平成14年7月3日に発表された知的財産戦略大網によれば、これからの日本は知的財産が社会の活性化に結びつく「知的創造サイクル」をつくることが提言されております。まず大学や研究機関が有望な特許を発明して社会に発信し、それを特許権や著作権などの知的財産権を取得したり産業が実用化したりすることで収益を生み出し、さらにその収益が再投資される好環境をめざすものであります。このような知的創造サイクルで最も重要なことは、弁理士などの専門人材の養成、知的財産教育の充実及び国民の知的財産意識の向上であると指摘されております。
 一方、平成13年12月19日の閣議で決定された「特殊法人等の組織見直しの素案」によれば、多くの特殊法人や財団法人が廃止されたり民間団体へと移行されることになっております。とくに、認可法人である士業団体のうち弁護士会を除き7つの団体が民間へ移行されることになっております。ちなみに、日本弁理士会は平成14年度から民間法人化されることになっており、具体的には社団法人・組合組織及・任意団体のいずれかの組織に移行されるようであります。そうなれば、今まで公的法人であった弁理士会は民間法人化されることによって、特許庁など行政機関から完全に独立した組織団体として独自の道を切り開くことが求められることになります。
 もはや議論されている段階ではなく、ただちに対応策に着手しないとこれらの大きな潮流に呑みこまれ、弁理士会は知財業界に埋没しかねない。これからの弁理士会は自己任のもと独立独歩の道を歩まなければならないことになろう。そして、従来の自己保身の防衛型からチャレンジャー精神の攻撃型の弁理士会に変身することが求められています。ここに21世紀型の弁理士像を早期に構築することが、今の弁理士会の緊急で最優先の課題だと思われます。それには、弁理士会員が一丸となって英知を結集されることはもとより、今まで以上に弁政連が果す役割が重要視されているような気がしてならない。今後共ども弁政連会員各位の一層のご支援ご協力を賜わりたい。(副会長 岡田 英彦)





  

この記事は弁政連フォーラム第119号(平成14年10月25日)に掲載したのものです。
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