PF-JPA





新年のご挨拶

 
iida.akio   
日本弁理士政治連盟
理事 稲垣 仁義

 
 

 新しく誕生した付記弁理士の活躍が期待されているが、現在の弁政連と弁理士会との果敢な政治活動から、付記弁理士は、恐らく近い将来単独代理権を獲得するであろうと考えている。
 今年から法科大学院が開校するが、法科大学院では理工系の学部卒業生がかなりいるので、現在の弁理士の必要性がなくなるかかなり減じられるのではないかという意見がある。しかし、法科大学院では2年間ということと、司法試験に合格しなければならないので、必須科目のマスターに時間がとられるであろうことから、知的財産権関係の科目をマスターする卒業生は、皆無か極めて少ないであろうと思われる。仮に多いのであれば、弁理士試験をする必要性(弁理士という資格を設ける必要性)がなくなる筈であるが、そういうことにはならない筈である。やはり、知的財産権に関して専門に勉強する弁理士のような資格者が、法科大学院卒の弁護士とは、別に存在しなければならない必要性は残る筈である。
 ところで、知的財産権の訴訟代理人には、法律的知識と技術的知識とが求められており、理想の代理人像を考えると、既存の弁理士・弁護士の中にも、この理想像に近い者もある程度はいると思われるが、量及び質共に不満足というのが現状であろうと思われる。
 この知的財産権訴訟代理人の量及び質を高めるには、付記弁理士には更に訴訟能力を高める勉学をさせ、既存の弁護士及び法科大学院卒弁護士には更に知的財産権の勉学をさせるよう、互いに理想の代理人像に近づくべく、切磋琢磨するように競争させるべきである。競争というのは、同じ土俵で行わなければ意味がないものであるから、付記弁理士にも単独代理権を与えるべきである。
 一方、知的財産権訴訟のユーザー側からみると、複数の代理人を付ける場合も多いと思われるが、訴訟の種類によっては、例えば主たる争点が特許の有効無効だけである場合などは、費用対効用の問題から、訴訟遂行能力のある弁理士を1人選んで代理人にしたいという願望がある。
 また、日本は、知的財産立国を標榜しているから、その知的財産を保護する弁理士には、優秀な人材を揃えなければならない事情がある。そうでなければ、知的財産の十分な保護が図れないからである。
 上記のような、知的財産権訴訟代理人の量及び質を高める目的、ユーザー及び国民の要請並びに知的財産立国の構想などを実現するためには、当然付記弁理士にも単独代理権を与えるようにしなければならないものと考えているが、いかがなものであろうか。

  以上

この記事は弁政連フォーラム第135号(平成16年2月25日)に掲載されたのものです。

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