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副会長就任挨拶

 
iida.akio   
日本弁理士政治連盟
副会長 稲垣 仁義

 
 

 弁政連推薦という理由で、自民党の公認が得られ、参議院選挙に当選したということを聞いて、知財重視もここまで来たかと感心している。
 なぜ知財がこのように重視されるようになってきたかを考えてみると、現・前・元弁政連会長の活躍を置いては語れないとは思うが、日本経済の構造不況に対しては、これしか方策がなかったのだと思う。
振り返ってみると、8年程前株価が最高の4万円近くから1万5千円程度まで落ちているとき、当時の尾身幸次経済企画庁長官は、株価は下がり過ぎている、来年には必ず上がるというような話をしていたが、依然として株価は上がらず、次の堺屋太一経済企画庁長官は、毎日祈るような気持ちで株価を見ているといっていた。株価が下がると、不良債権処理が遅れ、日本経済が更に悪くなり、また株価が下がるという悪循環が生じるからだと思う。
小渕内閣から森内閣と、景気刺激ということで公共投資に莫大な金を投入し、人工的に景気を回復させて、本格的な景気回復を待つという手法をとっていたが、この従来の手法が通じないことがわかってきた。この頃から、この不景気は従来の景気循環型不況とは異なる構造不況と言われるようになった。構造不況の一例として、中国、韓国等のアジアの国の安い商品が日本に大量に流入するようになったが、日本国民全体の購買力は変わらないので、日本製品は売れなくなっていることが挙げられる。
 既にこの頃、古谷元会長は、米国のプロパテント政策を例に上げて、知財重視の国家戦略を政治家に主張していた。渡辺前会長は、日本の国益という次元で政治家と話をすると政治家は真剣に話を聞いてくれると言っていた。この知財を国家戦略にという主張は、「知的財産立国」をめざすという現在の日本政府の方針になっている。技術力には優れているが資源が少ない日本が、世界で競争して勝ち上がるには、結果論かもしれないが、これ以外の方策は考えられなかったのではないだろうか。
 この知財重視、知的財産立国の土俵で議論する限り、知財に関するあらゆる問題に対し、誤解さえ生じなければ、弁理士会・弁政連にとって悪い結論にはならない筈である。
 知財重視、知的財産立国をめざすという日本政府の方針が鮮明になったことが、私が初めて弁政連の役員となった8年ほど前とは、弁理士会・弁政連を取りまく環境が大きく相違している点だと思う。
 申し遅れましたが、この度また副会長を務めることになりました。よろしくお願いします。

  以上



  

この記事は弁政連フォーラム第140号(平成16年7月25日)に掲載されたのものです。

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