PF-JPA




副会長就任ご挨拶
 

Kato Asamichi
日本弁理士政治連盟
副会長 浅 野 勝 美


 この度、新たに弁政連副会長に選任されました浅野でございます。著作権問題を担当致します。
 「弁理士は、弁理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、・・・著作物に関する権利の契約の締結の代理若しくは媒介を行ない、又はこれらに関する相談に応ずることを業とすることができる」(弁理士法4条3項)。今次の法改正で拡大された業務の一でございます。
 著作権は、わが国の場合制度は整備されているものの円滑な運用がなされていないのが実情のようです。その原因は契約マインドにあり、契約の締結がきっちりとなされていないことにあると言われています。加えて、著作権自体が階層的に成立するため権利関係が複雑になっています。即ち、著作権(最広義)は著作者の権利(広義の著作権)と伝達者の権利(著作隣接権)に分かれ、前者はさらに人格権と著作権(狭義)からなり、後者は実演家の権利、レコード製作者の権利、放送事業者の権利、有線放送事業者の権利からなります。狭義の著作権は無断で「コピー」、「公衆伝達」、「二次的著作物を作成・利用」されない権利です。権利の内容を一般的に記しただけでもこのように多数の種類がありますので、ある著作物を利用したい場合誰の許可を受ければいいのか複雑・不明瞭となっているのです。
 制度の構築は国家百年の計であり、制度の運用は制度の構築と両輪をなすものです。著作権制度の適切な運用は弁理士百年の計ともいうべきものです。私は、知財専門家たる弁理士に特許制度の運用だけでなく、著作権制度の適切な運用が期待されていると考えています。
 弁理士を取り巻く環境とくにその地位は、歴代の執行部のお陰をもちまして、以前とは見違える位向上しております。「知的財産」の保護、活用は今や国家目的となっております。地下資源の少ないわが国の世界に誇れる資源は人的資源であり、それが産み出す知的財産です。知的財産は母体さえしっかりしておれば無限に産出可能であり、その「輪出」は本来的には当該国の産業の発展に役立つ筈のものです。
 私は、このような知的財産による富の産出に貢献する著作権制度の適切な運用について模索し微力を注ぎたいと存じます。とは言うものの、私にとって著作権はいまだクリアであるとは言い難いところであり、弁理士業務にどのように結び付けるか不明瞭な分野でございます。それ故前任者のように皆様方のご期待にそえるような十分な働きはできないかもしれません。どうぞよろしくご指導賜わりますようお願い申しあげます。

  

この記事は弁政連フォーラム第117号(平成14年8月25日)に掲載したのものです。
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