PF-JPA

日本弁理士会新会館計画試案への提案


日本弁理士政治連盟
会員 須田孝一郎


1.まえがき

 現在約4,900名の会員が毎年400名増加したと仮定した場合、10年後には1万名の会員数が予想されるとする、日本弁理士会の試案が発表されている(平成14年9月20日)。
 私が税理士会の会員であるということで、このたび日本弁理士政治連盟から平成13年に建設した日本税理士新会館の概要と当会計画試案への提言を求められた。

2.新会館建設の経緯

    日時 活動内容
(1)平成5年 @会館取得特別委員会の設置
A会館取得資金確保のための会費増額の理事会決定

(2)平成8年 @会館取得資金積立のため会費増額の総会決定

(3)平成9年 @会館取得に係る費用の限度額総額50億円
A会館建設用地の先行取得

(4)平成10年 @東京品川区大崎1-445番6他4筆を会館建設候補地に選定
A会館建設用地として上記物件の取得を総会決定
B土地取得費として25億円の銀行借入総会決定
C不動産売買契約を締結
D土地所有権移転登記
E設計監理業者を理事会決定

(5)平成11年 @会館取得資金に充てるための会費増額を臨時総会決定
A施工業者を理事会決定
B新会館建設工事の起工式を挙行
C会館建設費として15億円の銀行借入を総会決定

(6)平成12年 @入居団体として、日本税理士政治連盟、日本税理士協同組合連合会、(財)日本税務研究センター、日本税理士国民年金基金、日本税理士厚生年金基金、全国税理士共栄会、日本税理士共済会、(有)ジェフターの8団体を決定
A名称を「日本税理士会館」に決定
B「日本税理士会館」建設工事の上棟式挙行

(7)平成13年 @「日本税理士会館」引渡
A建物を表示登記
B「日本税理士会館」定礎除幕式
C「日本税理士会館」竣工式、同祝賀会を挙行
引用文献(税理士界・平成13年12月15日・第1157号)

3.提言

 上述のように土地及び建物を取得して日本税理士新会館が完成するまで、平成5年に会館建設計画案を作成してから平成13年までの実に8年間の長期間を要し、しかも一般会費の増額による会館建設準備積立金、建設資金の借入、土地の買収、建物の新築、総会の決議など、対内外の折衝が必要である。
 よって私は、できるだけ会員の負担軽減を図るためつぎの私見を提言する。

(1)特別会計の設定
 新会館建設には、収入源として特別会費、寄付金、及び一般会計からの会館建設積立など、長期に亘る資金調達が必要であるから、一般会計の収支とは別の会計処理が必要である。
 それには、一般会計と区分して「会館建設特別会計」等の名称で、他の収入・支出とは別にして他の目的に使用できないよう下記に示すような収支予算書、収入計算書、正味財産増減計算書、貸借対照表を作成することを提案する。

収支計算書・正味財産増減計算書   貸借対照表・日本弁理士会館の概要

(2)関係官庁の交渉
 特許庁その他霞ヶ関地区の中央官庁と緊密な連絡をとり、日本弁理士会の借地権にもとづき新会館が虎ノ門近隣に取得ができるよう、連絡会議を設けて敷地確保が早期に解決するための交渉をおこなうことが必要である。

(3)資金計画の樹立
 会館建設の資金調達の運用が円滑にゆき、年度途中で過不足が生じないよう、資金計画をつぎのように検討すべきである。
@一般会費の増額
A特別会費の徴収
 会員の負担能力と徴収期間をどうするか、建設資金のバランスから調達の準備が必要である。
B会員または第三者からの寄付金
 日本弁理士新会館建設の目的のため、当会が募金活動を行って、寄付金の受入を図ることも考慮されたい。しかしこの場合、税務上所得控除となるには条件が厳しく、金額、募集期間、応募者の条件(広く一般から募集し、会員の割合が著しく多額にならないこと)などの指定条件がある。この適用を受けるために、日本弁護士新会館建設のための寄付金においては、当時の大蔵省の納得を得るため非常に困難を極めたとのことである。


この記事は弁政連フォーラム第125号(平成15年4月25日)に掲載したのものです。
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