PF-JPA


就任の挨拶


日本弁理士政治連盟
政策委員会

委員長 富崎 元成


  この度、日本弁理士政治連盟の政策委員会委員長に就任しました富崎元成です。私事ですが、私が知財の業界に入ったのは30年以上も経ちますが、一般には全く無名で地味な当時の特許業界を考えると、最近の我々の知財業界への注目度は隔世の感があります。しかしながら、社会的な認知度、期待に反比例して、むしろ経済的な状況は当時よりかなり悪くなったと言わざるをえません。なぜこのような状況になったかということです。
 私の独断ですが、我々弁理士に対する社会の期待に比例して、我々が経済界、又は一般の国民に向けて、社会的、政治的な活動をしてこなかった、又は少なくとも社会的に見えるような活動をしてこなかった、若しくはする必要もなかったことにも要因があると言わざるをえません。弁理士は技術系の出身が多く、どうしても、政治経済に疎く、日常の個別案件に追われて、ゆっくり考えるゆとりがない、というより、我関せずでむしろ避けてきたというのが実情と思われます。
 現在の日本では、仮に我々の理想とする法改正をしたいとき、立法府の議員から提案する議員立法という手段もありますが、今日の日本では行政府からの提案が大半です。すなわち、この慣習が良いか悪いかは別として、役所の手助けなしに事実上できないし、むしろ歴史的には依存していたといったほうが正確でしょう。例えば、我々の弁理士法の改正ですら監督官庁である特許庁、経済産業省に御願いすることになります。公益を代表する役所としては、仮に、大義名分があったとしても、彼らが認めなければ、我々の職域のエゴとして、法改正案を取り上げる理由は全くないのです。要するに、当然ながら官庁は我々のためには動かないのです。
 客観的に言えば、我々が票も資金もない弱小の職域団体ということであれば、新自由主義の規制緩和の時代の流れに身を任せて、我々が血を流すような痛みを分かち合うことが、国民にとっても有益でありとすれば、これを甘受し、座して死すというシナリオもあるかも知れません。しかしながら、我々も生活があるし、流れに棹さすことも必要であり、単に時の流れに身を任せるわけにはいきません。
 何れにしろ、日本弁理士政治連盟がどんな理想を掲げても、会員の皆さんの物心両面でのご協力なしには、何も実現できることはありませんので、皆さんのより一層のご協力をお願い申し上げて、私の就任の挨拶とさせていただきます。

  

この記事は弁政連フォーラム第186号(平成20年7月25日)に掲載したのものです。
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