PF-JPA

日本弁理士会元副会長〜弁政連副会長〜九州支部長




日本弁理士政治連盟
副会長 松尾 憲一郎


1.表題は私の弁理士会における主なキャリアです。
今期(平成24年度)に九州支部長を拝命いたしました。
支部長は、会則、支部の目的の範囲内において適当と認める事業を行うことができます。(九州支部規則第4条(10)・支部の事業)
また、九州支部を組織する会員の指導に関する事務等も行うことができます。(同第4条(1))
他方、弁政連は日本弁理士会の方針に沿って日本弁理士会の事業を達成するために必要な政治活動を行い、もって弁理士制度および知的財産制度の発展に寄与することを目的とし、その目的のために必要な事業を行います。(日本弁理士政治連盟規約第3条・第4条)
弁政連副会長である私は、九州支部長として、九州支部会員が原則弁政連の会員であることの啓発と指導を行うことができます。
つまり、私は九州支部長として弁政連の会員でもある九州支部会員に対して弁政連の活動の指導と共に、弁政連活動の最も重要な会費納入の働きかけもしなければなりません。

2.ところで日本弁理士会支部の事業はある面では非常に興味ある支部独特の事業が行えるように規定されています。
例えば、同第4条(8)(9)には、知的財産権制度と弁理士制度の普及及び改善に関すること並びに知的財産活動の支援に関すること(平成19年3月15日の)臨時総会で新設された)が規定されています。
九州支部は、知財、弁理士制度等の普及のため、或いは会員の知財活動支援等を事業として行えるように規定されています。この事業の目的、内容はまさに、弁政連のそれと合致しています。ただ、弁政連は、その手法が「政治活動」を通して目的を達成するように規定されています。
従いまして、九州支部長として支部事業と共に弁政連の目的達成の活動も重複して行う事ができます。
他方、日本弁理士会の副会長は、会長を補佐し、会長の会務執行のための必要な事務の分掌を行うことを主業務としていますが、具体的には知的財産権制度の広報事務や知的財産関係団体との連絡も業務の一環とされています(正副会長および執行理事規程第3条)。
要するに、日本弁理士会の副会長は知財に関する大局的な業務を司ることになっている。
これに対して九州支部長は九州圏内において具体的な策定を行い支部会員と共に独自の具体的活動が行えるようになっています。
これは、日本弁理士会の副会長の立場とは異なって知財の現場に直結して成果を目の前で確認できる活動です。
九州支部長としてこのような独自の事業を支部役員会と共に策定実行できることは今年度の楽しみでもあります。

3.そこで、この誌面をお借りして九州支部独自の事業を策定している内容のほんの一端をご紹介します。
これらの事業一部は、常日頃、弁政連の内で議論し、本会にも答申し、或いは独自の弁政連提案として提出したものです。なかには多々ご批判もあることかと存じますがあえて新しい策定、実行を行なうことを今年度の九州支部の使命と考えています。
九州支部の活動がミニ事業として認知されれば、他支部にも影響は波及し、日本弁理士会全体の大きなうねりができると考えます。
そうであれば、弁政連での私の些かな活動も無駄ではなかったと考えますし、私の九州支部長としての策定指導の窓口から九州支部会員が弁政連の活動の一端をのぞき見していただけることにでもなれば望外の幸せです。

4.まず、本年度の九州支部の事業の1つは、知財総合支援窓口の協力にともない、九州支部独自の弁理士手数料基準表を作成します。
独禁法との関係で弁理士手数料表が撤廃されて久しいがその弊害は大なるものであります。
せめて、反骨の一端でも示したく、強制ではない任意のしかし大いに参考となる基準的な弁理士手数料表を作成し、これを九州支部会員内で運用してみたいと考えています。

5.次に、まだまだ山とある知財のニーズの掘起しを行うために、ニーズをサーチする機関(サポート機関)を設置して九州圏内の知財ニーズの徹底的なサーチ及びマーケティングを行います。
この事業は九州支部会員により構成したサポート機関がbestであることは重々承知の上で、あえてサポート機関にふさわしい外部人材を登用して会員弁理士とタッグを組ませることです。
弁理士には日常業務外でニーズのサーチ、マーケティング等の活動を行うことには限界があります。部外者の知恵と活力をもって弁理士の活動域をぐっと拡げることができます。
今の構造的不況の下では知財業務の全体的かさ上げ(あらゆる技術分野での開発力のかさ上げ)をするしか弁理士の職域は広がりません。
まだ知財未知の企業、大学、団体、公共施設等は無限にあります。
我々弁理士が足を運ばないだけです。
そのガイド役をサポート機関として有効に使っていく方策にトライしてみようと言う事です。
「案ずるより産むが易し」

6.学生に対する知財教育の重要性は叫ばれて久しくなります。
弁理士自信が学生への指導、啓発を行っています。しかし、もっと効率的な知財教育があるのではないかと考えます。
学生にはやはり教育者である先生方が直接に普段から語りかける状況が最も有効です。
県の教育委員会に働きかけて小学校、中学校の教員に対して弁理士が知財教育を行うことにトライしてみたいと思っています。
これが成功すればスポット的ではなく日常的に知財教育が行われ知財への関心はもっと深く浸透していきます。
もっとも教員の意欲と質によるところが大と思われますがこのような事業も満更無駄ではないと考えます。

7.私のこれらの発想の一端は、弁政連での問題意識や有志の弁理士諸士達との議論の中で醸成されたもの一部であることを付言します。
弁政連とはこのような現実論を踏えて大局から物事の是非を考え、必要によっては政治的活動による解決への支援を行っています。
以上

この記事は弁政連フォーラム第229号(平成24年3月25日)に掲載したのものです。
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