PF-JPA

ご挨拶


Tetsuya Mori
日本弁理士政治連盟
副会長 野本 陽一



自宅の近くの樫の木にカラスが巣を作り、雛を育てていました。3羽ほどの雛が居るようです。親ガラスが、近くの電柱の上にとまって道行く人や子供たちを威嚇します。住人の一人が、区役所に電話して「巣の除去」を依頼しました。
区役所から人が来て、「巣が道路上に落ちているのなら収集しますが、木の上に住んでいる雛と巣の排除はできない」と言って立ち去ったそうです。区役所の説明では、雛が巣立ちすれば親ガラス共々居なくなるので、それまで我慢してもらいたい、とのことでした。幸い被害が出なかったものの住民の不満は残り、行政の難しさを考えさせられました。
この住民の不満と行政の消極的活動の間に機能するのが政治だと思います。
こと「カラスの話」では、それ程の社会的影響は少ないでしょうが、殊に最近のように知的財産の開発や保護を取り巻く知的財産制度の一層の拡充が求められ、これに対応する弁理士制度への「外からの要請」が強まっている環境においては、政治の機能が極めて重要である、と思います。
私は昭和42年の暮れに弁理士登録をし、翌43年の4月から独立して弁理士業務を行ってまいりました。その間、弁理士会の役員やいろいろの委員を仰せつかり、勉強させて頂いてきましたが、正直申し上げ、弁政連の内側で働いたことがありません。弁理士業務にかかわる「政治の機能」の重要性に気付かなかったのかもしれません。
しかし、ここ数年をとってみても国家的レベルでの社会的要請の中で、弁理士制度が大きく変革していかなければならない状況において、より良い弁理士制度の発展には、どうしても政治の機能が必要である、と思わざるを得ず、弁政連の内側に入り、その活動にご協力申し上げることに致しました。
経験の浅さは如上のとおりですが、会員の皆様のご意見ご指導を仰ぎつつ、できる範囲で努力したいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお余談ながら、カラス騒動から二日目、件(くだん)の雛は巣立ちし、樫の木に巣を残したまま親子共々飛び去って、一件落着したそうです。




この記事は弁政連フォーラム第151号(平成17年6月25日)に掲載したのものです。
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