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  【弁理士会派役員と弁政連役員との懇談会報告】



テーマ 
1.弁政連の方針と活動報告
2.弁政連の委員会委員推薦の相談
3.会派から意見お伺い

内 容
●福田(弁政連副会長・司会)
会派役員と弁政連役員との懇談会を始めさせて頂きます。司会の副会長の福田です。今日は弁政連から活動報告をさせて頂いて会派からは質問、意見、要望等をお願いします。
 
●古谷(弁政連会長)
弁政連は弁理士会の総会において斡旋決議で昭和49年に設立された。弁理士法改正、制度改正等を行ないたいとの強い思いはあったが、空回りを繰り返していた。荒井特許庁長官と稲木弁理士会会長の時にOKが出て現在のように弁理士法が改正された。その後も弁政連は特定侵害訴訟代理権獲得、周辺業務拡大等について弁理士会と取り組んで来た。最近の話題を挙げれば、政権交代前は自民と民主7対3で自民に軸足を置いていたが、政権交代後は民主と自民6対4で行くことを決めた。以前は、共産党を除く全方位であったが、今では共産党も含めた全党全方位外交を進めている。自民党政権時に弁政連は弁理士会と小泉政権に知財戦略の重要性を訴えた。結果、小泉首相所信表明演説で知財を国家戦略にすることが唱えられ以後、政府に知財戦略本部が出来て知財推進計画が策定・改訂されるようになった。この時の経験も踏まえて、丁度鳩山首相も国連演説で温室効果ガス25%削減を唱えられたので、水野副会長を通じて本会にも了解を得て上で、配付資料の中の「日本再生のための知財戦略−地球温暖化対策に関する提言−」を策定し菅副総理、直嶋経済産業大臣、小沢環境大臣、松下経済産業副大臣、近藤経済産業大臣政務官と面会し提言を訴えた。事前に特許庁にも報告したが幹部の意見は、我々の議員活動には何時もネガティブであった。しかし弁政連は国家、企業、弁理士のために知財政策を押し進めてきた。これができたのも、筒井会長、水野副会長のバックアップのお陰であることを申し副えておきたい。
配付資料の中の昨年12月8日の知財戦略本部会合での菅副総理の発言記録を見て頂くと、弁政連が主張してきた研究開発、知的財産権化、世界標準化の3つのキーワードを踏まえた発言をされており、国際標準化を推進するための調査会設置の検討も指示されている。弁政連の提言の根底には、研究開発・技術開発して、それを知的財産権化して世界に包囲網を作る。その上で世界標準化を目指せば、その技術は権利の有効期間が過ぎても使われ続け、日本の産業が潤うこととなる。詳細は資料をご覧頂きたい。
我々は、日本再生のための知財戦略の提言を持って、一緒に中小企業対策としてスモールエンティテー制度導入、出願審査請求料大幅引き下げ、ダブルトラック問題解消を訴え続けて来た。先頃、日経新聞に特許庁が出願審査請求料等の引下げと中小企業減免制度拡充を検討するとの記事がリークされた。確実に我々の活動の成果が実を結びつつある。かつては弁理士会と弁政連が相反することもあったが、今は一体となって対応している。弁理士会と会派はよく連繋されているが、弁政連にもご理解を頂いて今日を契機に会派から人員の推薦と派遣をお願いしたい。
 
●福田(弁政連副会長)
私の担当の広報委員会の委員には、既に会派から推薦してもらっている。この場で皆さんにはお礼を申し上げたい。また、昨日長崎の選挙で自公候補が勝利したが7月の参議院選挙も近づきつつあるのでご協力頂きたい。今後弁政連委員会の委員推薦をお願いすることに成ると思うので、その時はよろしくお願いします。これから、会派の役員の皆さんから政治活動や弁政連に対し意見要望等を頂ければと思います。テーマはフリーです。
 
●杉本(弁政連副会長)
私にも2分程度発言させて頂きたい。今痛切に感じていることは、議員は国家のことや政策論だけで動いている訳ではない。お金と票でも動いている。理由は我々と一番親しかった保岡先生が落選されたが、選挙で落ちれば全く無力である。現在弁政連会費を支払っている会員が16%位しか居ない。我々が手弁当で働いて勝ち得た成果は全会員が享受できる。
それなのに2,000万円程度しか資金が無い。これでは限界を感じる。古谷会長が人員を出して欲しいとお願いしたがお金も出して欲しい。これから特別検討委員会で検討し本会から1億円程度拠出してもらえないか、人員として弁理士会員の1%にあたる90人程度を出してもらえないかお願いをしていく。よろしくお願いします。
 
●福田(弁政連副会長)
皆さんの自己紹介と代表から意見等をお願いします。
 
●A幹事長
杉本先生の発言の中で弁理士会から弁政連に資金提供をお願いしたいということであるが、私が副会長の時にこの件は難しいと聞いている。私としては、出来れば良いと思うが具体的にどうすれば良いのかお聞きしたい。もう一点は、弁政連の特別検討委員会の諮問の中に「大企業が弁理士料金を決めることが独禁法に違反するか否かの検討・提言」というのがあるが、何か具体的方策があるのかどうかお聞きしたい。
 
●杉本(弁政連副会長)
答えは簡単で、今検討中ということです。
 
●古谷(弁政連会長)
資金拠出の件は委員会で検討してもらっているが、基本的には法的に安全な方法を検討してもらっている。2番目の委員会諮問の質問について、本来は弁理士会の仕事だと思っている。弁理士会で出来ないところを弁政連がしっかりサポートしたい。唯一対策として考えられるのが、独禁法の中に「優越的・・・行為」という項目があって、ここがポイントになると思っている。弁政連は弁理士会が経団連や大企業との交渉で腰折れしないようしっかり支えて行きたい。
 
●B幹事長
私も弁政連と弁理士会が対立関係になった時のことを知っている。これでは駄目だと思っていた。お互いに出来ないところを補完し合って1プラス1が2ではなく3になれば良いと思っている。今日の報告のような提言の資料を示してもらえれば、弁政連活動がよく理解できた。ただ、弁理士会から資金提供を受けることは難しいと思う。本来政治活動というものは、個人、個々の寄附で行なうもので我々もそういう観点から協力したい。
 
●C幹事長
先ほどの古谷会長の説明の中で、弁理士会と弁政連は別組織であるということをお聞きした。そうであるならば、弁理士会会長を弁政連会長が兼ねることの是非について古谷会長のお考えをお聞きしたい。
 
●古谷(弁政連会長)
士業の中で一緒に成っているところもあるが、概ね別々に分けている。政治との関係を明確にするためにも分けて対応することが望ましいと思っている。先ほどB幹事長が言われた弁理士会と弁政連は補完しあう関係が良いと思う。
 
●D幹事長
要望ですが人とお金が欲しいというのは分けて欲しい。また、弁政連の委員会内容を見る限り若い人が参加するのは難しいと思う。この辺りを考えて頂きたい。
 
●杉本(弁政連副会長)
確かに委員会内容を見ると難しいかもしれない。
 
●E幹事長
特に質問はありませんが、会員が弁政連活動を知るのは月1回発行のフォーラム位である。人を出して欲しいということであるが若い人ほど弁政連活動を知らないので、我々としても会員に振りづらい。弁政連に人を推薦することは弁理士会よりもしづらいので、弁政連の活動をもう少し広報されて会員に理解してもらえれば、我々としても対応しやすい。
 
●F幹事長
人と資金のことについて、古谷会長が資金は人が委員会に入れば確保出来ると言っていたが集め方が悪いと思う。弁理士会と東京支部の人選の後に何時も弁政連から来るので、これでは我々としては二度手間になってしまう。ここを改善して欲しい。もう一点は、我々の業務環境は悪くなる一方で、この辺の対応をどのようにされているのか教えて欲しい。
 
●古谷(弁政連会長)
業務環境と漠然といわれると具体的なものが見え難いが、我々の主たる業務は出願であり、この弁理士手数料が重要だと思っている。料金表が廃止されて今のように企業の優越的立場でドンドン料金が引き下げられれば仕舞いに事務所経営が立ち行かなくなってしまう。この対応については、弁政連がしっかりサポートしていくことであり、主体はあくまでも弁理士会だと思っている。弁理士会がその気になってくれれば我々は幾らでもサポートする。弁政連特別検討委員会の諮問は、正にそれを示している。
 
●富崎(弁政連副会長)
我々の出願の予算として、NEDOやJSTから40万件中1割程度のお金が出ている。この予算を増やせば自動的に出願は増える。また、将来において環境税が導入される場合、ここから幾らか予算が流れる仕組みを検討したい。
 
●古谷(弁政連会長)
今民主党が言っていることは自動車税を環境税に置き換えること位である。我々のところに回ってくるようにするためには、もっと大きいパイを作ることが必要と考えている。即ち、環境税の適用範囲を変えればパイはガラッと変わる。環境税の一部を環境技術等に幾らかフィードバックさせることも可能であろう。
 
●G幹事長
我々のクラブは「幹事長」ではなく「代表」と名付けているのでご承知願います。さて、お金と人のことですが、我々も協力したいが一番小さい会派なので中々難しいところがある。もう一点は、大企業の弁理士云々という話があったが、人を増やす場合大企業の方が入っても良いのかどうかお聞きしたい。良いのであれば、できるだけ協力したい。
また、先ほどのNEDOやJSTの予算を増やせば我々のところに自然に回ってくるとい話には、なるほどと感心した。
 
●古谷(弁政連会長)
企業弁理士の推薦も全く問題ありません。企業の方もドンドン参加して欲しい。
 
●H幹事長
委員会の人材を集めるという話で、公募はされていないのか。なぜ、しないのかお聞きしたい。また、弁理士試験合格者の中には会派に属さない人もドンドン増えているので会派以外の会員にもPRすべきである。
 
●古谷(弁政連会長)
貴重なご意見として承っておきます。
 
●I幹事長
今日の会合で弁政連の活動がよく理解できたと思う。是非皆さんも会派の中には、弁政連に関心を持っている人が必ず居られるので協力して頂きたい。
話は変わるが、弁理士試験の今年の合格者が減ることはまず無い。恐らく増えることになるだろう。論文試験の免除者も増えているので今の仕方で行けば減ることはあり得ない。下手をしたら1,000人位もあり得るので、やはり試験制度を変えないといけない。新弁理士試験は、まだ始めて2年しか経っておらず見直すとしても5年位は必要と言っていた。今のままでは必ず増えるということです。
 
●J幹事長
私としては、弁政連活動は非常に大切なことで規模が大きくなることを望んでいるが、会費を集めるところで16%の納入率には疑問を感じている。私としては、会費を納めることは義務だと思っており本当に16%で良いのかどうか。会費を納入する義務があるということを認識しているのかお聞きしたい。
 
●古谷(弁政連会長)
山川弁理士会会長の時に弁政連を原則加入にして頂いた。弁理士登録すると原則として弁政連会員に成るというもので、ただし申し出によって拒否ができる。現在拒否を申し出られている方は約2000人位で、会員8,000人中会費をお支払頂いているのは1,200人位です。PRについては、毎月弁政連フォーラムに活動を掲載し、また弁理士会が全国の支部周りをする時に同行しアピールしている。今考えているのは、新人教育で新人に対するアピールの場を設けてくれるよう弁理士会に要請中である。
私も会費納入の義務があることをもっと徹底すべきだと思っている。原則加入を曖昧にしていることが問題。先生が言われるとおり、原則加入という以上申し出が無い場合は債権債務が発生しているということだと思う。ただ、義務だと言えば「それなら弁政連を辞めます」で終わってしまう。我々はひたすらお願いをするしかない。だから辛い思いがある。
 
●J幹事長
会費納入率が低いのを多少でも上げるべきだ。権利義務を明確にすれば、弁政連を辞めるという人も限られると思う。私はそういう観点から申し上げている。

●古谷(弁政連会長)
納入率を上げる努力をしたいし、その方策も一生懸命考えたい。今会費値下げの是非についても検討している。
 
●杉本(弁政連副会長)
弁政連を強制加入制度にすれば全員から会費徴収できると思うが、企業内弁理士が2割も居られる状況で強制加入は難しい。現状(原則加入)では拒否して逃げられるというのが問題。会費の値下げについては、過去において5,000円から7,000円、10,000円に引き上げたが総額は変わらなかった。何か良い知恵を出して欲しい。
 
●J幹事長
弁政連会員の中で、会費も出さない活動もしないという会員は何か意味があるのか。
 
●杉本(弁政連副会長)
弁政連の構成人数だけでも選挙の時に、票数のアピールには成る。
 
●D幹事長
弁理士会から弁政連に資金提供することについて、弁理士会の2万円の会費の中から2,000円分を弁政連に提供し会員が拒否しにくい状況を作り上げるという提案はどうか。
 
●古谷(弁政連会長)
以前、税理士会で強制加入団体が強制的に徴収することについて訴訟になったことがある。恐らく難しいのではないか。
 

●福田(弁政連副会長)
以前、納入率について他士業から聞いたところ10%程度と聞いたことがある。ただ会員数が多いので総額も大きかった。他士業も会費徴収には苦労しているようだ。
 
●K幹事長
古谷会長に、また来て頂いて名演説を聞かせて下さい。それによって、去年は新たに弁政連に加入した方が何人か居られました。
 
●古谷(弁政連会長)
今日はご多忙のところ全会派にご出席頂いて意見交換ができたことは、弁政連にとって大変有意義でした。皆様に感謝を申し上げたい。これを機会に今後ともよろしくお願いします。

※ 会派幹事長の発言につきましては、秘匿保持のためアルファベットで明示させて頂きましたことをご了承下さい。

 
「会派役員と弁政連役員との懇談会」出席者
【日本弁理士クラブ】
 幹事長      岡 部   讓
 政策委員長    樺 澤   聡
 
【PA会】
 幹事長      伊 東 忠 重
 人事部会幹事   藤 谷 史 朗
 
【南甲弁理士クラブ】
 幹事長      高 橋 大 典
 人事部会長    石 橋 良 規
 
【稲門弁理士クラブ】
 幹事長      中 野 寛 也
 人事担当副代表  飯 塚 義 仁
 
【弁理士同友会】
 幹事長代行    小 川 眞 一 
 人事委員長    小 林  保 
 
【東海協議会】
 幹事長      飯 田 昭 夫  
【弁理士連合クラブ】
 幹事長      亀 谷 美 明 

 
【春秋会】
 幹事長      木 戸 良 彦 
 人事委員長    岩 永 和 久 
 
【無名会】
 幹事長      須 藤 雄 一 
 人事委員長    村 上 晃 一 
 
【弁理士クラブ】
 幹事長      塩野谷 英城
 人事委員長    黒 田 壽
 
【西日本弁理士クラブ】
 幹事長      北村 修一郎 
 人事担当副幹事長 田 中 達 也 






【日本弁理士政治連盟】
 会 長      古 谷 史 旺
 副会長      谷 山  守 
 副会長      杉 本 勝 徳
 副会長      飯 田 昭 夫 
 副会長      松尾 憲一郎
 副会長      永 井 義 久
 副会長      白 井 重 隆
 副会長      小 川 眞 一
 副会長      富 崎 元 成
 副会長      福 田 伸 一
 副会長      丸 山 幸 雄
          【日本弁理士会】
 副会長      水 野 勝 文



この記事は弁政連フォーラム第206号(平成22年3月25日)に掲載したのものです。
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