PF-JPA
 


弁理士会派役員と弁政連役員との懇談会報告

日時 平成23年3月22日(火) 正午〜午後2時
場所 弁理士会館 3階 会議室
議題 1.弁政連の方針と活動報告
   2.弁政連の人事についてのご相談
   3.会派からご意見、ご要望等のお伺い

 ※会派役員の発言につきましては秘匿保持の為、アルファベットで表示させて頂きました事をご了承下さい。
【内 容】

●福田(弁政連副会長・司会)
 本日の司会を担当する副会長の福田伸一です。最初に古谷会長より挨拶させて頂きます。



●古谷(弁政連会長)
 大震災後の大変な時にお越し頂き、ありがとうございます。今回の大震災の影響で国会審議も遅れていますが、特許法改正案が上程されています。今の弁理士法のままで良いのかどうか、改正の必要あり、とするのであれば、特許法改正に絡めて附帯決議してもらうべきではないか、というようなことを筒井現弁理士会会長と奥山次期会長に申し上げました。次年度会務検討委員会でも検討頂いて、附帯決議を求めるべきとの結論を頂きました。大震災で国会審議がストップしていますが、状況を見極め、しっかり対応して行きたいと思います。
 今日は各会派の幹事長、政策担当、人事担当役員の皆さんから忌憚のない意見を出してもらって、今後の弁政連活動に役立たせて頂きます。また、今回人事担当役員にお越し頂いたのは、弁政連人事は2年に一回改選することになっており、各会派のご協力を得て透明・公正な人事を行いたいからであります。
  

●福田
 先ず出席者の方々に自己紹介をお願いしたいと思います。それから、古谷会長から配付資料に沿って弁政連の平成22年度活動報告をさせて頂き、その後意見交換に移らせて頂きます。特に、会派の皆さんから要望、意見、質問等を承って弁政連からお答えする形を取らせて頂きます。その場合、各会派単位で一言意見・要望等をお願いします。後ほど私の方から指名させて頂きますので、それまでゆっくりお考え下さい。
 それでは、自己紹介をお願いしますが、今、日本弁理士会の鈴木副会長がお見えになりましたので、鈴木副会長の挨拶後に順番に皆さんに自己紹介をお願いします。
(鈴木副会長、弁政連役員、会派役員自己紹介)


●福田
 本日、出席予定の無名会幹事長の羽鳥亘先生は、群馬県で震災の影響で欠席のご連絡を頂いております。また、稲門弁理士クラブの人事担当の飯塚先生も、未だお見えになっておりませんが、お見えになりしだい挨拶を頂きます。配付した資料をもとに、ここ1年間の弁政連活動について報告させて頂きます。


●古谷
 活動報告については、配付資料の活動記録をご覧下さい。弁政連では活動を記録に残すため毎月弁政連フォーラムを発行しています。また、1年間の記録として弁政連ニュースを発行していますが、残念ながら、この10年間は途絶えてしまいました。しかし、今年はどうにか発行に漕ぎ着けることが出来ました。近日中にすべての弁理士の皆様にお送りさせて頂きます。具体的な内容は弁政連ニュースをご覧下さい。この場では、弁政連の活動方針や政治スタンスについて説明させて頂きます。
 弁政連には規約の第3条で「弁政連は弁理士会の意向に沿って活動する」ことになっています。弁理士会の意向とは、会員の総意(総会)のことなのか、正副会長会のことなのか、曖昧なところもありますが、何れにしても、日本弁理士会と相反する行動をして、どちらが代表なのか分からない状況は作るべきではないと考えており、日本弁理士会の正副会長会と意見の摺り合わせをしながら政治活動を行っています。
 さて、弁政連は国会議員や時には関係する省庁にまで突っ込んだ動きをすることがありますが、常に注意していることは、我々の主張が弁理士のエゴとして採られることについてであります。我々の願いはより良い弁理士制度の構築ですが、これを前面に出さず、天下国家的見地からの攻めに徹しています。巡り巡って弁理士制度が良くなることを描いた行動を採るように心掛けています。
 活動中で、なぜ弁政連がこのような動きをするのかと言われることがあります。例えば、当時の鳩山総理が国連総会で“「地球温暖化対策」として2020年までにCO2を25%削減する”と演説したことに関し、日本国内では全くコンセンサスが得られていない状況にありました。そこで、弁政連では具体的な対応策を提言しようということになり、侃々諤々の議論を重ねた上で、既に弁政連フォーラムでも発表させて頂いた「提言」に取り纏め、鳩山総理に提出致しました。その際、弁理士の利益に繋がることは一切触れず、あくまでも天下国家の視点での「提言」に徹しました。
 また、中小企業支援対策の「提言」も全く同じスタンスで行っています。それが故、国会議員や関係する省庁は、日本弁理士政治連盟の主張に耳を傾けるのです。我々の主張の根底には、知的財産権制度・弁理士制度の発展、弁理士の生活向上があることは勿論のことであります。
 今回の特許法改正は、内容的にも限られた範囲であり、かつ時間的にも極限状態での審議であり、附帯決議に弁理士制度を絡ませるか否か思案のしどころであります。
 話題をガラリと変えますが、平成6年の山川政樹日本弁理士会会長時代に弁政連に対する原則加入制度を導入して頂きました。弁政連に対するご理解とご協力を得るべく、懸命な努力はしておりますが、誠に残念ながら、会費は約1,300人の方々が納入して下さっているに過ぎません。納めて下さった方々の善意にぶら下がったままで良いのでしょうか。弁政連の活動成果は、間違いなく弁理士全員に等しく分配されるのです。本来は全会員が均等に負担すべきものであります。
 ご理解とご協力を宜しくお願いいたします。
 


●福田
 古谷会長から申し上げましたとおり、活動報告については配付資料をご覧頂きたいと思います。因みに、この2年間の活動報告の中で、79番目の件については、政権与党になった民主党に、これまで知財関係の議員連盟はありましたが、今年度初めて「弁理士制度に関する議員連盟」が立ち上げられたことをお伝えしておきます。自民党には既に「弁理士制度議員連盟」があり、知的財産制度議員連盟もありました。議員連盟の設立は、6月8日で、それは奇しくも菅直人議員が内閣総理大臣に就任されたのと同じ週のことでありました。
 それでは、各会派の皆様から意見・要望・質問を承って、それに基づいて弁政連から話をさせて頂くという時間帯にしたいと思います。先ほどの自己紹介の順番でお願いします。


●A幹事長
 今日は懇談会にお招き頂き皆様からお聞きしたことを会派に持ち帰って、会員に弁政連活動や会費のことを伝えるということだと思いますが、そういうことで宜しいでしょうか。


●古谷
 弁政連の活動は、弁政連フォーラム等でご理解頂いていると思いますが、ただ、どのようなスタンスで、どのような志を持ってやっているのか分からないと思いましたので、この点について時間を割いて説明させて頂きました。今日は各会派の幹事長と人事担当役員にもお越し頂いておりますので、弁政連の各種委員会にも是非とも委員を派遣して頂きたいという願いも込められております。


●A幹事長
 質問ですが、日本弁理士会が政治活動をし難いということで弁政連が存在すると理解していますが、要するに我々会派の中に弁政連担当者を置くということが可能なのかどうか。


●古谷
 それは一向に差し障りのない話で、むしろ積極的に取り組んで頂ければ願ってもないことですが、なかなか難しいことと思います。せめて委員会に参加して頂きたいのです。また弁政連には正副会長会というのがあり各会派から副会長を出して頂いています。委員や場合によっては委員長を出して頂きたいのです。


●B幹事長
 私が弁理士登録した時に会社勤務でしたので、最初に会費のお願いが来て社内で会費支払いを要請する時に、どのような説明をすれば良いのか分からないということで困ったことがありました。現在は特許事務所に勤務しており会費も納入させて頂いておりますが、弁政連は重要な活動されていると思うのですが、例えば、社内で弁政連会費の意味というものを、何か上手に説明が出来るようなものがあれば良いと感じました。例えば、日本知的財産協会の会費については社内で説明が出来ると思いますので、このような事実を勘案し弁政連についても上手に説明出来るようになれば良いという感想を述べさせて頂きます。
  


●C幹事長
 個人的な感想ですが、弁理士に若い人達が多く輩出されて来ている状況の中で、政治全般にわたって全然関心が無い人達が増えています。弁理士になっても政治活動に関心が無い、私の世代は関心が無いという人達が増えている中で、弁政連活動しているのは一部の会員で、ただし利益を享受しているのは弁理士全員という話はごもっともなことで、そのような話をお聞きすると弁政連活動が若い人達には全く見えていない。弁政連フォーラム等の広報活動はされているが、今後我々の職域がどのようになるのか予想もつかない状況の中で、弁理士が弁政連活動を理解していないのは大変不味いことだと思います。


●富崎(弁政連副会長)
 原発問題が発生し、今朝ある弁理士と原発について議論しました。その方が原発反対を延々と話をされるので、貴方は今までどおりの生活をし、電気エネルギーをよく使い、貴方のクライアントも原発工事をやっているのに、原発反対などと言えるのか、と反論しました。
 ご存じのとおり、我々の業界では阪神大震災の時は関連も含めて10兆円の損害があって、今回の東日本大震災の損害は直接的でも約30兆円の損害、更に原発問題、電力不足等計り知れない程の損害が考えられます。昨年日本は3%の経済成長を達成しましたが、今年はマイナス成長も避けられないでしょう。我々の事務所も厳しい状況に陥ると思います。こういう時には政治に期待するしかないのです。その辺のところを理解する必要があります。私も含めて弁理士は技術系が多いので仕組みが分からないところもありますが、我々弁理士のためにも弁政連の支援をお願いしたい、それだけを願っております。


●D幹事長
 話を伺うまでよく存じていなかったのですが、原則加入という話を聞いても内容について殆どの会員は理解していないと思います。会費のお願いが送られてきても捨ててしまう会員が多数だと思います。当会派としても委員推薦等には喜んで協力させて頂きますが、どこの会派も同じだと思いますが、会派の活動自体停滞しているという状況で、弁理士自身が取り敢えず自分のことだけ考えているという事態に陥っているので、今富崎先生がおっしゃったように、今回の大震災で原発事故も含めて、自分だけ良ければ良いということで、都内でも買い溜めに走って混乱に拍車をかけるような状況も出ていますが、このようなことでは日本も終わってしまうので、弁理士だけでも真剣に考えていかなければならないと思います。弁政連がもっと音頭を取って頂きたいと心から願っております。当会派も協力を惜しまないつもりですが、何しろ日本弁理士会の活動すら会員は理解していない状況です。
 日本弁理士会の総会ですら、定足数に達するまで結構ハードルが高く、各会派の幹事長が無関心な会員に対し、ひたすらお願いをして委任状提出に漕ぎ着けているのが実情です。ですから、弁政連総会あたりは開催されることすら知らない人が多いのではないかと思います。もう少し弁政連も幹事長経由なり、アピールの方法等を考えていけば良いと思います。
 あと会費の件も過去には様々な話を伺っていますが、2万円を支払うのは大変だとか、一括で支払うのは大変なので分割して欲しいとか、例えば会費を1万円にして一口1万円からで二口以上もお願いできるというような幅のあるシステムを検討されたら良いと思います。もう少し皆さんが関心を持てるような形に持って行ければ良いと思っております。


●E幹事長
 日頃から弁政連役員の方々の活躍には感謝しております。特に弁政連フォーラムを拝見させて頂きますと、役員はかなり自分の時間を費やされて会員のため弁理士制度のため活躍されておられるのは、よく存じております。そこで、今の政局のような状態で、今後どのような政党を応援し、どのように伝えて行けば良いのか、そのあたりも気になるところですが、そういうことも含めて、今は非常に不透明な状態だと思っています。先ほどの話で国会自体が附帯決議ですらお願い出来ないような状態なっているところに、幾つか質問してお応えし難いところが多いとは思いますが、先ほど古谷会長が震災のことについて話をされましたが、多分個人的なご意見だと思いますが、逆に弁政連として、大震災のことで何か動かないといけないし、先ほど言われたように、義援金を出すとか、そういうことも大事ではないかと思います。逆に言うと、それが弁理士のステイタスを上げるというと語弊があるかと思いますが、日本弁理士会として産業を支えて行くという姿勢を見せるのも良いのではないかと思います。
 それに対して、弁政連は何か対応されたということがあるのかどうか。或いは、その際に日本弁理士会が緊急事態として総会を開かないで拠出ができるようにするために弁政連が何かをして行く、というようなお考えがあるのかどうかお聞きしたいと思います。
 それと、先ほど弁政連に対して興味が無いという意見に対して、私も当時は若かったですが、弁政連の会議に出た時に感じることは、何か異常に真剣に議論しているというか、相手の人格を損ねるような言い方までしていて、異常な雰囲気であったことを覚えています。そのような雰囲気の中に若い人は入れないと思います。
 国会議員との付き合い方にしても、このようにやるんだと言われても、国会議員は商売でやっているのであり、それを目の前で見ていて気持ちの良い人は居ないのではないかと思います。そうなると、逆に会議に出て嫌な思いをしたくないという話を結構聞いた記憶があります。私も不快な経験をしております。
 様々な活躍をして頂いて弁理士制度を支えているのは分かりますが、このような体質も、ちょっと考えて頂いた方がよろしい様に思います。お金を出した上に嫌な思いをして帰るというのでは、2度と行きたくないという意見を結構聞いております。この辺も考えて頂ければ、会合に出席した時に気持ち良く帰れるのではないかと、昔から感じておりました。


●古谷
 先ず、民主党がダッチロールしているような政治状況の中にあって、どのような政治スタンスが取れるのかという質問のように思いますが、民主党政権になるまで、我々は自民党が6、民主党が4というスタンスで臨んで来ました。従前は共産党を除く全方位外交でしたが、私の時代になって、共産党を含む全方位外交に変更させて頂きました。その理由は、少なくとも知的財産制度の審議において、属する党の利害、イデオロギーに引きずられた発言をする国会議員は皆無であること、共産党の議員も国会審議における質問で、核心を突く質問、意見を述べて下さることも多く、偏見は止めようと決意しました。
 それから、民主党政権になってから力点の置き方を変更しました。政権与党である民主党を6、自民党を4にしたのですが、当時の鳩山総理、小沢幹事長等々がダッチロールを初めてから、比率を5対5に戻しております。
 貴重な浄財を有効に使わせて頂くからには、きちんと政局を見極めた会務運営をしなければならないと心しております。極端な話ではありますが、政局がどのように変化しても、しっかり対応が出来るよう付き合いのバランスを考えております。この先の政治状況は予測し難いものがありますが、我々はどのような変化にも対応できるよう、政治感覚を養いながら活動しております。
 それから、震災その他に関してですが、弁政連が発信するのではなく、先ずは日本弁理士会が間髪入れずに発信すべきことで、日本弁理士会が発信する前に弁政連が外部に向けた発信をするのは、本来あってはならないことと思っています。日本弁理士会をサポートするのが弁政連の使命だからです。むしろ、この場には力のある各会派の幹事長がいらっしゃるので、日本弁理士会の執行部が活動し易いようにサポートして頂きたいと思います。それによって我々も更に政治的サポートを強めて行きたいと考えております。
 それから3番目の件は、私自身も経験して来ておりますので、誠に申し訳ないことですが、日本弁理士会の執行部が日本弁理士会の代表なのか、弁政連が日本弁理士会の代表なのか、どちらが代表なのか政治家の方から問われた時代がありました。いわゆる双頭政治に陥っていました。しかし、先程来、再々申し上げているように、私は日本弁理士会を弁政連がサポートするという構図を望んでいますので、そのあるべき姿を是非とも維持して行きたいと考えております。
 それを曲げない限り、双頭政治は起り得ないし、日本弁理士会の執行部と弁政連の執行部が怒鳴り合いのケンカになることはない、と信じております。また、弁政連の中でも極力穏やかな会話・議論が出来る雰囲気を醸し出して行ければと念じて、この2年間をやらせて頂いておりますが、未だ未だ行き届かない点があろうかと思い、その点は反省しております。


●F幹事長
 弁政連との会合で、このようなお話を聞くのも初めてという状態でございます。ただ、弁政連フォーラム等日本弁理士会の発送物の中で拝見することはありまして、今回頂いた資料の中にもありますように、国会議員や官庁を回られて日本弁理士会・弁理士の価値をアピールして頂いていることには何時も大変感謝しています。
 それで、先ほど活動方針もお伺いしましたように、日本弁理士会執行部の意思に沿って、それをサポートするように活動する。それから後、何らかのアピールをする時にも弁理士のエゴにならないようにアピールするというのは大変素晴らしい方針であると思いますし、特に対外的には後者のエゴにならないようにというお考えは大変大切なことだと思います。活動の目的からして最終的には弁理士の利益になるように、法律や制度を作ってもらうということのために活動すると思うのですが、それを全面に押し出すと聞き入れてもらえないというのは理解できることでして、全体的に弁理士が活動することによって、社会がこのような利益を得られるということをアピールすることによって、結果的に社会全体で弁理士を活用しょうという機運を高めて、その結果として弁理士が経済的にも仕事をたくさん貰えることによって経済的にも利益を得られるという方向性での活動は大変好ましいことではないかと思います。
 この点、当会派から推薦して次期会長、日本弁理士会会長になります奥山尚一も新しいビジネスを創り出して弁理士を役立てようという方針も打ち出しておりますので、弁政連にもその方針に沿って同じような方向で、新しいビジネスを創り出せるような環境作りをやって頂けると大変ありがたいと思っております。当会派にも白井重隆先生をはじめとして委員の方も推薦させて頂いておりますので、今後とも要望があった場合には、なるべく力の限りお応えしていきたいと思っております。ただ、全体的に弁政連の国会議員への訪問や懇談、官庁への訪問等は法律改正、弁理士法改正、特許法改正等がどのように結びついて来るのか分かり辛いところがありまして、私もあまり公表し辛い因果関係かも分かりませんが、日頃の国会議員との懇談等は最終的には官へのアウトプットになる法改正或いは審査基準等が入るのかもしれませんが、そういったところとどのように結び付いているのかというところを分かり易く説明して頂けるような機会があれば弁政連活動に対し理解が深まるのではないかと思います。
  


●G幹事長
 私も申し訳ありませんが、今日参加するまで弁政連に具体的にどのような委員会があって、どのような活動をされているのか、余りよく分かっていませんでした。先ほど古谷会長から話があったように、日本弁理士会のエゴと取られると全く聞き入れてくれないということで、政策提言が非常に難しいということだと思います。それで、当クラブとしても出来る限り協力というか、委員会に人を送ったりとか出来る限り協力して行きたいと思うのですが、本年度委員会の人事、例えば何時までにどの委員会にどういうご要望があるのかお聞かせ下さい。


●G人事委員長
 なぜ若い人が弁政連に参加されないのかというと、サロン的というか政治が好きな方が集まっているというようなイメージがあると思います。もしくは会長がエゴであってはいけないといったような方針、要するに弁理士の利益を主張する団体だと政治家に思われていると、そういった考え方は嫌だと、僕は自分の能力で自分の生活を豊かにしたいと、圧力団体的なことは嫌だというような考えで弁政連はやりたくないというような、恐らく2つのタイプがいるのではないかと思っています。
 それで、皆様にPRといいますか、弁政連の皆様は良いことをやっておられますので、弁政連フォーラム等で伝えていくのか、もっと広いPRの手段が必要かと思います。やはり、何をされてどういう方針なのか皆さんに触れる機会が無いということが決定的問題かと思います。逆にそのことが弁政連のパワーを小さくしているというか、政治家に会って話をするのは良いのですけれども、どの位の会員が意見に対して賛同を示しているのか、どの位のバックボーンの意見なのかということが、どうしても見えてこない。例えば、審査請求料引下げについて弁政連フォーラムで、こういうふうに陳情したというのを書くのは良いのですが、具体的に審査請求料引下げの緊急集会を開催したら何千人という弁理士が集まったとか、その場で様々な議論が出たとか、労働組合の団体交渉ではないですが、それだけの人数をバックに言っているとか、乃至は審査請求料引下げに関して中小企業アンケートを取ってクライアントはこれだけ値下げをして欲しいと言っているというようなアンケートをまとめて出すとかが必要で、弁政連活動がサロン的に見られることによって力が萎んでしまっていることは、日本弁理士会全体広くは知的財産業界全体にとってマイナスに働いていると思います。もっとPRして弁理士の意見のみならずユーザーの意見まで弁政連が吸い上げて何か伝わるようにして頂くと、そんな大事なことをやっているんだということで盛り上がるのではないかという気がします。


●古谷
 非常に核心を衝かれており、ドキドキして聞いておりましたが、最後のところのユーザーの意見についてですが、このユーザーの意見というのは、私は日本知的財産協会だけではないと思っています。むしろ、上部団体である経済団体連合会がどのように考えているのかということを、どうやって吸い取るのか日本弁理士会に経団連との付き合いを深めて欲しいということも、再々要請してきました。しかし、なかなか経団連との継続的なパイプ作りが出来ていなかったようです。それでは、我々弁政連が独自にパイプ作りをしようではないかと、既にパイプ作りを構築しつつあります。そのパイプを通じて、経団連の考え方、日本弁理士会の考え方を注入し合うことを進めつつあります。
 それから圧力団体みたいな形で嫌だというお話がありましたが、この点は、正に我々のPR不足かも知れません。先ほどから申し上げているように政治行動を行なう時に、政治家は我々のエゴを感じ取ると、我々の要望を一切受け付けません。拒絶反応を起こすのです。この習性を我々は学習して学びました。政治家は天下国家のためにどうあるべきかという前向きな意見を常に吸収しようとしますし、良いことであれば、直ちに動いてくれます。ですから、我々は天下国家を前面に押し立てる理屈作りに腐心するのです。
 先ほど、サロン的だとか圧力団体は嫌だとか発言がありましたが、それは先生の意見というよりも、そういう若い方もおられるということをお伝え頂いたと思うんですが、それらのことを肝に銘じながら、今後どうすれば理解をして頂けるか検討して行きたいと思っております。


●H幹事長
 今年の当会派の表に出ない方針としては、弁政連の活動の“見える化”を若い人にやって行きたいという感じがします。その理由は非常に単純で大名行列というか新しい日本弁理士会会長は名古屋で講演する時があります。その時に、弁政連の先生も見えて弁政連活動を説明されると、そこに出席された若い人は、皆さん弁政連はそんなに良いことをされていたのですかということで弁政連に入って頂けると思います。その見える機会というのが余り作られていないということで、各会派の中でそういうことをやって頂けるようなことをやりたいと思って、今年は当会派の中で、ただそれだけをやるのは良くないので他の講演をやる時に、少しそれを織り交ぜて行こうと思っています。
 それと若い人が勘違いをされているのは、自分達の職域というのは、上から与えられたものであって自分達で勝ち取るものではないと思っていることです。
 監督官庁は特許庁ですが、特許庁というのは自分達の意に反するものについて当然賛成する訳がないですから他の省庁との繋がりを日本弁理士会が持つと思えば、私の副会長時代の話しになりますが、殆どのものを嫌がって、なかなか我々の要望に乗って頂けなかったのです。嫌がる官庁を動かして頂けるのが、実は政治家なんです。やはり日本弁理士会の崇高な理論理想というものを掲げながら政治家にお願いして行くと、文科省も繋がり農水省も繋がり財務省も?がって行くというところがありますので、そこをどのように皆さんに伝えていけば良いのか、という感じがしています。
 やり方として当会派の場合は、先ず会派の中でそれを進めて行きたいと思っています。では弁政連に対してのお願いは、もう少し“見える化”をして頂きたいということです。崇高な理想で業界全体のこと日本全体のことを考えてやっているということを絵に描いた状態で発信して頂いて、その中の一つとして、今回弁理士に関わることはここですというようなことをやって頂くのが良いと思います。
 企業の人が弁政連会費を会社で落とすというのは多分不可能です。特許事務所でも弁政連のお金は税務調査で吊るし上げにあうところですので、個人的に払うというスタンスにならざるを得ないと思います。それについては、逆に言うと皆さんで研究して頂いて特許事務所のボスが会費分を給料の一部として払って頂いて、それを自分で払って頂くというようなシステムを、弁政連を含めて日本弁理士会全体で考えて頂ければと思います。私も弁政連に関わって来ておりますので、それ以上のことは申し上げませんが、出来るだけ去年の活動を各会派の中で上手く説明して頂けるように、私も当会派の中で頑張って行きたいと思っております。

  
●I幹事長
 皆さんの意見を私は理解しておりますが、私自身として弁政連との関わりは殆ど無くて、ただ副会長をされている奥村茂樹先生は私の大学の先輩ですが、奥村副会長からある衆議院議員の会合に誘われて何回か出席したことがあります。それはただ出席してお酒を飲んでというだけだったのですが、そういう中で恐らく当クラブの中でも弁政連の活動自体について殆ど知らない、或いは余り興味を持っていない方が多いと思います。
 弁政連ニュースや弁政連フォーラムがありますが、チラッと見るだけで真剣に見ていません。それとクラブの活動と日本弁理士会への関与はありますが、弁政連との関わりは殆どクラブの活動としては無いのが実情です。先ほど原則加入と言いながら常に2万円の会費を払っている人が1,300人位しかいないとお聞きしました。弁理士の数は8,000人から9,000人位いて、その中で会費を払っているのが1,300人しかいないというのは、まさに弁政連の活動自体が認知されていないことを表しているのではないでしょうか。
 それと実際に弁政連の役員の方も活動されていて、1,300人しか会費を払っていないと弁政連活動自体が十分賄えるだけの資金が実際に足りているのかどうかも知りたいところです。もし足りていなければ1,300人をもっと増やす努力、実際にはされていると思いますが、その辺がもし現状の会費だけでも賄えるのであれば、もっと会費自体を下げるなり、その辺の工夫も必要と思います。それと先ほどの先生が言われたように“見える化”というもの、それから福田先生が言われたように弁政連というのは黒子に徹しているのが本来の弁政連の活動だと言いながらも、やはり弁理士個人が、弁政連が必要であるからこそ弁理士制度が上手く行っていることを全く知りません。
 日本弁理士会だけではなく弁政連と一体と成って動いているから、これだけのことが出来ているというのがどうしても見えて来ません。その辺を黒子と言われても、やはり各会員への周知は必要だと思います。そういう意味では、我々のクラブとしては副会長に井内先生、杉本先生、松尾先生がおられますので、副会長を通してでも、各クラブの方に弁政連活動をアピールして頂くような機会を今年設けられたら良いと思っております。


●福田
 弁政連活動の“見える化”については、弁政連は日本弁理士会の意向に沿って動くということですので、本会を差し置いて動くのは難しいところがあるのですが、そこは努力しますので会派の皆さまも是非ともご協力を頂きたいと思います。
 それから、先ほど少し話が出ましたが、今日配付した資料の最後の方に弁政連の規約がございます。規約第8条で弁政連の機関組織でございますが、ここの2番で役員の記載があります。2つ下に行きますと役員の任期があり、これは全役員を指していますが、任期は2年です。実は3月末終了ですが、次の役員が決まるまでは継続となっており、再任の任期は1年と書かれております。これは更なる再任も妨げるのかどうなのか、過去に誰も言ったことはないのですが、ここはもう少し考えて行かなければならないのですが、何れにしてもここにいる弁政連役員全員は3月末で任期が切れるのは明白です。会派の皆様には弁政連役員全員のポストの人選をお願いするということにせざるを得ないと考えております。これは再任という形でして頂くのも結構ですが、相当なご協力を頂くことになるかと思います。更に規約第17条の総会の話の中で年度終了後2ヶ月以内に開催することになっておりますので、この範疇に定時総会を開催させて頂きます。総会にもご協力をお願いします。
 それでは本会の鈴木副会長にもお越し頂いておりますので鈴木副会長からもお話を頂きます。


●鈴木(日本弁理士会副会長)
 私の方も弁政連について色々と申し上げたいことがございます。役員会を1年間やっておりまして、役員会として弁政連に助けて頂いたこともございますし、本来直接要望を持って行っても特許庁には相手にされないところを弁政連含みでやって上手く話が通ったことも多々ございました。ただ、何時誰が誰に訴えたというようなことを言えない訳でして、なかなか“見える化”というのは難しい。現実にそういう形で役立って頂いているのは事実でございます。一方で弁政連の役割からすると皆さんもご存じのように日本弁理士会の意思決定は少なくとも役員会を経なければ行けませんので、少なくとも1週間は遅れる訳です。必ず1週間で起案してそこで議題に上げないと決定が出来ない。弁政連の場合は直ぐに正副会長で話し合って明日には弁政連の予算から募金を出せる訳ですが、日本弁理士会は募金を出そうと思っても募金という科目が無い以上予算も組んでいないことから総会を通さないとお金が出せません。これは皆さんもご存知の筈です。そうしなければ出せないことを知っていながら、直ぐに超法規的措置を取ってやって下さいと言われますが、実際には出来ないのです。それを知っていながら言わないで下さいと思うこともあります。副会長経験者の皆さんは日本弁理士会の機構というのは1円たりとも予算に組んでいないとお金が出せない。そういう時に1億円を出せとおっしゃる。総会を通れば出せますが、総会を開く為には2ヶ月位前に機関決定をしなければならない。そういう縛りがあって出来ないのです。
 このような動きが鈍いところを弁政連が上手くフォローしてやってくれるところが多々あると思いますし、今日のような緊急の場合、予備費等で上手く出来ないかということもあり、今の役員会も検討しましたが、それは難しいということになって、次年度の定期総会で募金・義援金については総会を通して出すような決定を次年度に対しても申し送りをしました。次期奥山会長の時に、金額は未だ決まっておりませんので皆さんの方から色々なご意見をお聞き頂ければ良いと思います。
 何しろ日本弁理士会は身動きが取り難いのです。なぜかというと日本弁理士会の目的というのが指導監督と登録しか出来なくなっているところに問題があり、それを変えようという動きも実際にありまして、今度の弁理士法改正でそれを検討してもらうことも申し送りをしております。ですから株式会社も創れない。何も出来ない状態になっています。それについて実は、弁政連は結構自由に動けるので弁政連と合同でお金を出し合って法人を創ったらどうかというような検討も個人的にしておりましたが却下されました。それ位弁政連については嫌悪感が色々なところにあって弁政連とやるのは嫌だということを多々言われております。
 先ほど、若い人は弁政連の活動をよく知らないと言っていましたが、副会長経験者は弁政連の活動をよく知っていらっしゃる。そういう方々が日本弁理士会の会長や副会長を終わった後に弁政連について良く言っている方に会ったことがありません。そういうところも大きい原因のような気がします。もっと言うと弁政連の会長をやりながら弁政連を支援しない人すらおられる。これはどういうようなことなのかというような気がします。そういった政治に対する一般的なアレルギーというか、政治が何だかよく分かっていないということだと思います。あらゆる生活は政治抜きで考えられません。誰もが政治が嫌いだと言いながら政治の恩恵で飯を食っている訳です。そういうことを知らなさ過ぎるので、もう少し偉い方、会長、副会長経験者が、そういう宣伝をして頂くということを弁政連からもっと言って頂きたいのです。
 一方、弁政連のやっていることが今一透明性に欠けるという気がします。政策決定のプロセスは非常に早いですが、どのようにして機関決定したのか余りよく分からないことが結構ありまして、会員の皆さんの前で弁政連の活動はこのようにやっていますという話をしてもらったことが過去にはあるのですが、大体自慢話で会員は余り聞き入れません。ですから、そういう出方ではない方法を弁政連自体も考えていかなければならないと思っています。因みに今の弁政連フォーラムの形式を考えたのは私です。色刷りにして少しでも皆さんに見てもらうように作り変えたのは私が広報委員長をしている時にやらせて頂きました。弁政連にはお金が無かったので一回交代でカラー版と白黒版で発行し、カラー版の時に皆さんに見てもらうように考えましたが、今一効果が上っていないようで残念です。
 ここにいらっしゃる皆さんにご協力して頂かないと恐らく弁政連活動も上手く立ち行かないと思いますので、私は弁政連の担当で弁政連の人間ではないですが、無くてはならない組織であることは間違いありませんので、個人的に弁政連のあの人が嫌いだというような些細なことで弁政連を嫌いになるのではなく、組織として必要ならば好き嫌いで物事を言わないで欲しいということを、弁政連顧問の先生方に申し上げているつもりでございます。


●H幹事長
 出来れば日本弁理士会会長が地方回りをする時に、弁政連というのはこういう組織で、日本弁理士会と弁政連は一致して動いているというようなことを会長自ら地方会員に説明して頂けると弁政連が表に出なくても弁政連の活動というのは会員に十分理解して頂けると思います。こういうことを次年度会長にお願いして頂けませんでしょうかということを鈴木副会長にお願いしたい。


●鈴木
 出来るだけ申し送りして次年度会長にお願いしておきます。


●水野(弁政連副会長)
 私は弁政連担当の副会長でもありましたし、今実際に弁政連の副会長でもありますので、そのつもりでお聞き頂く必要があるかと思います。現実に現場に居りましたので弁政連の立場の中では大きく2つのことがあると思います。先ほど古谷会長もおっしゃっていたように日本弁理士会の黒子として日本弁理士会を支えるというのを、この2年間やって来られています。その中で大きな違いは、日本弁理士会は特許庁との関係が非常に密接です。弁理士室というのが秘書課の中にありまして、日本弁理士会は常に監視監督されています。そうすると日本弁理士会としての発言や広報をする時に非常に制約がかかる場合があります。会長としても非常に慎重にならざるを得ない場合があります。かなり多いです。ですから、ここ2年間は当然日本弁理士会会長も承知の上で弁政連には黒子として活動を頂いております。例えば、今回の弁理士の増員問題、審査請求料50%引き下げるという問題の活動、この辺についても当然日本弁理士会の場合は色々な所で審議会等があり関与しているので、言いたいことと言えることが違う場合があります。そういう面も、かなり立場上の違いを利用していると言いますか、非常に必要性が高いという面があります。
 それからもう1つは繋がりです。先ほど話があったように他省庁、他団体色々なところの繋がりにおいて、日本弁理士会がそのようなところに直にお付き合いをするのは如何なものかというような圧力がしょっちゅうかかります。そういう時に弁政連の立場があれば政治という面がありますので、先ほどの経団連等色々な団体とのお付き合いの際に自由度と言えば変ですが、別のチャンネルがあるということも重要です。
 ただ日本弁理士会が動く時には、私もそうでしたが、弁政連のチャンネルを利用してコンタクトする訳です。実際に鈴木副会長もおっしゃっておられましたけれども、弁政連の存在が無ければかなりの活動は出来ませんでしたし、多分弁理士の増員問題や今回の審査請求料の問題や色々な法改正の問題も恐らく違う結果になっていた可能性が十分あったと思います。そういう意味で必要性は十分あるのですが、これを理解して頂く為にはある程度会務を経験されて、今ここにいらっしゃる様な幹事長クラスであるとか、日本弁理士会総会のこととか、特許庁との関係のこととか、そういうものを理解された方でないと、なかなか弁政連の必要性とか影響について分からないという問題が1つあります。それで一般会員への広報活動は大事ですけれども、やはり弁理士経験、会務経験のある方に理解してもらえるような機会が欲しいと思います。
 それからもう1点、先ほど社会貢献事業の話がありましたが、これは弁理士法改正に関わることで日本弁理士会には直ぐに制約がかかります。日本弁理士会は指導監督等の目的があり活動が出来ないものが一杯あります。それで社会貢献事業がどのように位置付けられるのか非常に重要になります。これは事業ということになると税務問題、課税問題もあり得ますので、非常に慎重にやらないといけないが、かといって例えば今回のように震災でどのように対応できるのかというと、実際にはできない。勝手に活動できないから、これは大問題だと思いますし直近の問題であり法改正の附帯決議にも直結します。ここにいるようなレベルの方で是非議論して欲しい訳で、我々としてどちらの方向に進むべきなのかです。
 例えば、社会貢献ができるようにするのか、一方で、弁政連は日本弁理士会の黒子ですから一般の政治活動をする訳ではありません。全て日本弁理士会の活動に沿った政治活動ですから、全く日本弁理士会と無関係な政治活動は一切ありません。ここで社会貢献事業をどのように位置付けるのか、これは法改正に直結しています。日本弁理士会をどうするのか、日本弁理士会は今までのようにやって弁政連をもっと上手く利用すれば、それで目的達成するという考え方もあるかも知れません。その辺が重要なところで、ここにいるレベルの方々で色々なご意見が聞けると良いと思います。


●富崎
 今の話に関連して、因果関係を明確にしろというお話は、できれば良いが当然因果関係として我々の活動と政策決定との関係を明らかにすると、我々の負けというか訴訟に成る可能性もあります。皆さんもご存知のように判例がたくさん有りまして、税理士会が自分達の法改正の時にお金を集めて最高裁の判例まで出ているものもあり因果関係を明らかに出来ないのです。やれば終わりです。詳しく言うと、税理士会の判例は、税理士法改正をやりたいということで会の執行部が数年前からお金を強制徴収していました。その分について派閥の関係者が憲法違反ということで特定団体がそのようなことをしてはいけないということで最高裁まで争った判例があります。結局、違法ということになり、要するに税理士法改正のためにお金を会員から強制徴収したことが、どのような名目であろうと強制徴収は違法と判断された訳です。だから今はどの士業も強制徴収はしていません。因果関係というのは厳しいものがあります。


●古谷
 先ほども申し上げましたが、弁政連が政治的な動きをするときに細心の注意を払うのは、業界エゴに映らないかということです。業界エゴに映れば、必ず跳ね返されます。それをどのようにして大儀の陰に潜り込ませるか苦心惨憺する訳ですが、それを赤裸々に弁政連フォーラム等で明らかにしてしまえば、適切な言い方ではないかも知れませんが、敵に手の内を見せるのと同じであり、なかなか難しい面があります。規約で弁政連は日本弁理士会の意向に沿って活動するという縛りがかかっており、先ほど水野副会長が申し上げたように一般的な政治活動をやっている訳ではなく、必ず知的財産制度と弁理士制度に利すると信じて活動をしている訳です。
 それから、意見の食い違いを避けるため、日本弁理士会の執行部とは常に摺り合わせをしていますが、肝心なところで特許庁から圧力のかかることがあります。“弁政連は仕方がないが、日本弁理士会は表には出るな!”というようなことで、急きょ弁政連だけが表に出ることもあります。本日、参考資料として要望書を配付させて頂いておりますが、それらの多くは日本弁理士会と弁政連が意見交換して完成させたものです。表に日本弁理士会を出さないで、弁政連の名前だけで出しているケースもあります。
 しかし、特許庁との関係で申し上げると、私が政治行動を起こす時には、例外なく総務部長または長官と事前に会って、活動内容を伝えることにしています。なぜなら、我々の政治行動は瞬く間に特許庁が知ることとなるからです。特許庁の立場からすれば、我々の動きを知らなかったでは済まされないことでしょうし、不快極まりないことでもありましょう。
 だから、事前に情報を入れておくのです。内容によっては、それは勘弁して欲しいと言われることもありますが、多くの場合、野にあって知財を支える弁理士の意見だからと、要請を断ります。そうでなければ、特許庁と弁政連との対等な関係は築けませんし、知的財産制度の健全な発展は望むべくもありません。私の固い信念とお受け止め下さい。
 それから、日本弁理士会の動きの遅さというのは、先ほど鈴木副会長から説明があったとおりだと思いますが、それに引き替え、弁政連の動きがなぜ早いのか、それは政治の動きに合わせているからです。
 委員会の答申⇒正副会長会の決定⇒理事会⇒総会といった手順を経ていたのでは追いつかないくらい、政治の世界の動きは速いのです。だから、時間的余裕のない事案の場合は、毎月の正副会長会、若しくは電話、メールでの意見聴収でもって結論を出さざるを得ない場合が多々あるのです。
 先ほどH幹事長から、“出来れば日本弁理士会会長が地方回りをする時に、弁政連というのはこういう組織で、日本弁理士会と弁政連はここが上手く一致して動いているというようなことを会長自ら地方会員に説明して頂けると弁政連が表に出なくても弁政連の活動というのは会員に十分理解して頂けると思います。”と言われましたが、これが私の一番言いたいことでありました。ありがとうございました。


●福田
 それでは、未だご意見があるかも知れませんが、2時間ということでご用意させて頂きましたので、この辺で閉じさせて頂きます。
 最後になりますが、弁政連への人材派遣につきましては、後日、詳しいお願いをさせて頂きますので、ご理解とご協力の程を宜しくお願い申し上げます。
 また、公募もさせて頂きます。皆さまお忙しい中お集まり頂き有難うございました。また何かの機会に今日のような会合を催させて頂くことがあろうかと思いますが、その時には是非ともご参加下さるようお願いします。本日は有難うございました。
 
(終 了)
 
 

この記事は弁政連フォーラム第222号(平成23年8月25日)に掲載したのものです。
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