PF-JPA



「弁政連拡大正副会長会議
大阪会議」


日本弁理士政治連盟
特別顧問  杉本 勝徳


 本年9月30日午後2時から5時まで弁政連〔正副会長会議〕が近畿支部の大阪分室で開催されました。
 出席者は森哲也会長、加藤正道副会長、三好秀和副会長、渡辺望捻最高顧問、杉本勝徳特別顧問、伊藤秀彦弁政連関西支部副支部長の6人が出席しました。
 出席者は少なかったのですが、白熱した会議で大変実りのある大阪会議となりました。
 尚、その後大阪第1ホテルで開催された塩崎恭久代議士の講演会と懇親会に全員で出席して、特許庁の考え方について質問致しました。
 大阪会議の主題は勿論、特許庁が8月30日の日経の朝刊1面トップで報じた「審査請求料金を2〜3倍値上げする」という、正に寝耳に水の報道についてです。この報道に関しては、9月1日に弁政連が弁理士会本会を通じて特許庁に確認したときは、「誤報」との回答であったのです。
 その「誤報」扱いが10日も経たないうちに、どうもあれは誤報ではなく、特許庁の常套手段ではないかと言われだしたのです。すなわち、特許庁は何かドラスチックな改正をやろうとするときに、アドバルーンを打ち上げておいて、関係者の反応をみるというものです。
 しかし今回のアドバルーンは相当大きなもので、また晴天の霹靂に近いものではなかったでしょうか。その理由は次の2点です。
 @政府は知的財産戦略で国家の再生を図ろうとしており、特許権を多く創出することはその大きな手段であるはずです。審査請求料金を大幅アップすることはそれに逆行する政策であります。
 Aここ数年、日本の物価は下がり続けており、企業は消費不振で青息吐息、個人は失業と収入源で、日々苦しい生活を強いられています。そんなときに、審査請求料金を値下げするのならともかく、値上げ、それも大幅な値上げはまさに国民の苦しみを逆撫でするものであります。
 以上の2点について弁政連大阪会議は熱心な議論を展開して、次の4つの結論に達しました。
(1)審査請求料金の値上げは政府の知的財産戦略に
逆行する政策であること。
(2)審査請求の滞貨の山を崩すのには、審査官およ
びIPPCの増員をはかることが先決であること。
(3)審査着手前の予備調査等、審査請求をする前段階の手段を考えること。
(4)弁政連大阪会議の意見を踏まえて、弁理士会近畿支部で早急に反対の結論を纏め且つ解決策を講じて本会に要望書を提出すること。

 その後、特許庁の動きが速くなり、「産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会」で議題に上げられた「最適な特許審査に向けた特許制度の在り方について」(審査請求料金の大幅な値上げについて)、弁理士会は10月8日と18日に東京、大阪、名古屋を結んだテレビ会議を行い、会長、副会長、支部長、各会派の幹事長が出席して熱い討議がなされました。その時の各人の意見は、概ね弁政連大阪会議で出された意見および採択された要望書案に近いものでありました。
 いずれ近いうちに求められるパプリックコメントにおいても、国の知的財産戦略の足を引っ張るような改正については、代案を出して反対表明しなければならないと思います。




  

この記事は弁政連フォーラム第119号(平成14年10月25日)に掲載したのものです。
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