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今月のトピックス
1.弁理士制度推進議員連盟の総会が開催されました(6月4日


 
 1.弁理士制度推進議員連盟の総会が開催されました(6月4日(木)
 6月4日(木)、午前10時から自由民主党本部のリバティー4号室で、自由民主党弁理士制度推進議員連盟総会が開催されました。当日は、国会議員14名、特許庁と知的財産戦略推進事務局幹部、日本弁理士会と日本弁理士政治連盟幹部の大勢が出席し、最近の知的財産の動向について説明と意見交換を行いました。議員連盟の中川秀直会長の挨拶で開会し、日本弁理士会の筒井大和会長、政治連盟の古谷史旺会長の挨拶の後、日本弁理士会の水野勝文副会長から「知的財産支援策と弁理士業務のあるべき姿」について説明と要望を申し述べました。
 質疑応答では、中川秀直会長、山本拓事務局長をはじめ多くの国会議員から特許庁、知的財産戦略推進事務局に対し、中堅企業・中小企業・地場産業等への支援策、弁理士の適正人数、弁理士試験制度の充実と弁理士の国際性の更なる強化、ダブルトラック等について質問がありました。この日は、延長国会における重要法案の審議の最中にもかかわらず、大勢の国会議員が出席され弁理士制度と知的財産制度の発展のために国会議員と省庁幹部と弁理士が活発な議論を交わしました。
 
(出席者)
【自由民主党国会議員】
衆議院議員 中 川 秀 直 先生(会長)
衆議院議員 高 村 正 彦 先生
衆議院議員 谷 垣 禎 一 先生
衆議院議員 衛藤 征士郎 先生
衆議院議員 太 田 誠 一 先生
衆議院議員 森 山 眞 弓 先生
衆議院議員 坂 本 剛 二 先生
衆議院議員 渡海 紀三朗 先生
衆議院議員 岸 田 文 雄 先生
衆議院議員 小 野 晋 也 先生
衆議院議員 山 本  拓 先生(事務局長)
衆議院議員 高 市 早 苗 先生
参議院議員 中 川 雅 治 先生
参議院議員 秋 元  司 先生
※当選回数順

【日本弁理士会】
会 長  筒 井 大 和
副会長  西 島 孝 喜
副会長  水 野 勝 文
副会長  長 内 行 雄
副会長  金 坂 憲 幸
副会長  本 多 一 郎
副会長  井 上 春 季
副会長  正 林 真 之
執行理事 鈴 木 一 永
調査室長 仁 平  孝
事務総長 蔵 持 安 治
 

【日本弁理士政治連盟】
会 長  古 谷 史 旺
副会長  杉 本 勝 徳
副会長  白 井 重 隆
副会長  小 川 眞 一
副会長  富 崎 元 成
副会長  福 田 伸 一
副会長  井 内 龍 二
副会長  榎 本 英 俊
顧 問  森  哲 也
顧 問  牛 木  護
 
弁理士制度推進議員連盟に対する弁政連の意見 
 知的財産の喫緊課題
1.特許庁と裁判所のダブルトラック
企業や個人が裁判所に特許権侵害を提訴しても、訴えられた側は特許権の無効審判を請求して、これに対抗することができる。
 裁判所での訴訟と特許庁の無効審判の双方で「特許の有効性」が争われ、判決と審決の判断が対立するケースも少なくない。
 現実に裁判で権利者が敗訴する割合は80%近くにまで達し、特許権を取得しても怖くて行使できない事態となっている。
そこで、特許庁の無効審判制度の制限と裁判所の判断への一本化の動きが浮上している。
 軽々に特許庁の無効審判制度の制限と裁判所の判断への一本化をすべきではなく、むしろ、特許庁の技術専門性を活かした制度設計の再構築を目指すべき、と我々は考える。

2.中国によるITセキュリティ製品(対象13品目)への強制認証制度
中国政府が、日本企業などが保有する情報技術(IT)製品の中核情報を海外メーカーに強制的に開示させる認証制度を2010年5月から実施することを決めたことが報道されている。
 このことについての我が国の対応は、平成21年5月12日付経済産業省の「中国によるITセキュリティ製品への強制認証制度について」と題するメモに書かれているが、十分な対応が図れているとは思えない。
 この問題に対し、平成21年5月13日付の読売新聞が朝刊で“企業競争力の源である知的財産や重要なノウハウが丸裸にされかねない”と懸念を表明しているとおり、「知財立国」日本の優位を揺るがす重大な問題と認識しており、これを阻止する明確な政治意思の表明が必要、と我々は考える。

3.地球温暖化防止対策を特許法の改正に盛り込むべき
スーパーコンピュータによる地球シミュレーションでの2100年の温暖化予測では、1.1度〜6.4度C温度が上昇し、地球の砂漠化が一層加速し、熱帯雨林のアマゾン流域もその例外ではない、とされている。
 我が国では、1999年4月8日に「地球温暖化対策の推進に関する法律」を制定し、JCCCA(全国地球温暖化防止活動推進センター)を発足させた。2008年に上記法律を改正し、「地球温暖化対策推進本部」を内閣に設置した。
一方、「知的財産推進計画2008」でも環境技術の普及に言及し、更に経産省をはじめとする各省庁、全国都道府県でも様々な施策が進行中ではあるが、残念ながら日本の強い意志の表明が見えて来ない。
 特許法の改正に際し、地球温暖化防止対策を盛り込み、技術立国、環境立国としての姿勢を鮮明にすることが必要、と我々は考える。
 具体的には、「地球温暖化防止の一翼を担う」ことを目的規定に入れ、温暖化防止技術に対する費用の国庫負担、当該技術に対する強制実施権の設定、実施料相当額の国庫負担などである。

弁理士制度の喫緊課題 

  1. 特許・実用新案・意匠・商標は、技術性と専門性と国際性、更には相互の関連性が高く、弁理士の専権を堅持することが、制度を利用する国民の利便に資するものである。

  2. 「知的財産推進計画2008」第111頁において、“弁理士の大幅な増員を図る”ことが謳われている。そのことにより、僅かこの10年間で弁理士総数が2倍以上の数に膨らんでおり、産業界からは質の低下が懸念されている。上記「知的財産推進計画2009」の策定に当たっては、資質の向上を前面に打ち出すべき転換時機に来ている。

  3. 弁理士の専門性・国際性の必要は、外国出願の急激な増加をみれば歴然であるが、かつて論文試験の中に「条約」が必須であったように、少なくともパリ条約、特許協力条約(PCT)、商標法条約は論文試験の必須とすべきである。


この記事は弁政連フォーラム第197号(平成21年6月25日)に掲載したのものです。
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