PF-JPA
 
弁政連活動報告 


☆平成20年8月5日(火)、午前8時20分よりパレスホテルにおいて中川秀直議員主催の「第96回モーニングセミナー」が開催され、弁政連から牛木会長、丸山副会長、廣瀬副会長、森顧問、吉田委員、日本弁理士会から高尾副会長、筒井執行理事が出席した。
☆平成20年8月6日(水)、午前8時より帝国ホテルにおいて保岡興治議員主催の「モーニングセミナー定例会」が開催され、弁政連から牛木会長、武政副会長、廣瀬副会長、森顧問、日本弁理士会から中島会長、福田副会長が出席した。
☆平成20年8月23日(土)、午前8時よりホテル・ニューオータニ博多において山崎拓議員主催の「第63回政経懇話会」が開催され、松尾理事が出席した。
☆平成20年8月28日(木)、午前8時より帝国ホテルにおいて「第106回Early Bird seminar」が開催され、森顧問が出席した。
副会長(広報担当)廣瀬隆行 記

編集後記

  日本における進歩性判断の議論に対して、米国でのKSR事件判決を契機として米国審査基準の改定まで及ぶにいたって、ますます議論の活発化に拍車がかかっている。
 近時、日米欧を含む主要各国の裁判官会議の場においても、進歩性判断について活発な議論が行われ、これに対する各国の関心の大きさが証明されたと聞き及んでいる。
 KSR事件判決が示したグラハムテスト又はTSMテスト適用の修正の動きによって、EPOでの「課題解決アプローチ」及びわが国のいわば「動機付けアプローチ」との整合性レベルが高くなりつつあり、大局的には、進歩性判断手法自体についてみれば、ほぼ一致するようになったものと考えられる。
 わが国の特許法29条2項は、「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が…容易に発明をすることができたときは、その発明については、……特許を受けることができない。」と規定されている。
 この29条2項の条文の構造からは、「当業者」とはすべての公知文献を知っている、いわばスーパー開発・研究者を意味していると考える。反面、進歩性の判断に際しては、「通常の」「知識を有する者」を基準として判断せよとしているから、一つの条文に別次元の二者が入り込んでいるものと解される。米欧においても、このことに関して顕著な相違はみられない。
 ここで、EPOでは、「当業者」とは、「その技術分野における、出願時の共通の一般知識がなんであるかを知っている普通の実務家」、米国でも、「通常の創造性をもった者」とされており、表現上はほぼ同一である。
 しかし、現実に、日米欧で進歩性判断の結論に相違がみられる事実の一つの大きな理由としては、「当業者」をいかなる者とするかの点において、各国の基準が相違することにあると考えるものである。
 私の知る限り、わが国の裁判判決上、「当業者」に関して直接的に判示したものが見当たらない。
 このように、仮に「当業者」について各国の基準の相違が、進歩性判断の結論に左右するとすれば、「当業者」の基準、特に「通常の」の意義又は基準をより深化させることが、知的財産権制度のシステム議論より、直接的に発明の保護基準を定めることにつながり、もってプロパテント又はアンチパテントの方向性にも影響し、きわめて重要であると考える。
(永井義久)

この記事は弁政連フォーラム第188号(平成20年9月25日)に掲載されたものです。

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