PF-JPA


副会長就任のご挨拶




  

yoshihiro.tanabe
日本弁理士政治連盟
副会長 田 邊 義 博

このたび日本弁理士政治連盟の副会長に就任しました田辺と申します。

 ・弁理士会本会の会長や副会長は褒章が欲しい人がなる。自己顕示欲!

 ・弁政連は政治家と付き合いがあることを自慢したい人がなる。権力礼賛!

冒頭いささかどぎつい表現だったかも知れませんが、私が十数年前に弁理士となったとき、本会や弁政連のイメージは上の通りでしたし、周りの人が持っている印象も似たり寄ったりでした。一言でいえば、やりたい人がやっておけば良いんじゃないか、自分には関係ないし、自己研鑽してよりよい明細書を作成するのが弁理士の本分、そんな考えでした。言わずもがな弁理士は理科系出身が多く、独立心旺盛な人が目指す資格ですので、組織や政治は、自分のアイ
デンティティの対極にあるとどうしても思えてしまいます。


その後しばらくして島根県にて開業し中国支部(当時は中国四国部会)に属するようになったのですが、支部は人数が少ないですから、必然、支部活動に参加する必要がでてきます。そのうち役をやるようになり、というより、やらざるをえなくなり、この10年近くずっと副支部長を務めています。
役を毎年やっていますと、自然と本会とのつながりもでてきます。そうするとそれまで見えなかったものが見えてきます。すなわち、支部活動を通じ本会の組織、構成、役割、使命、活動などが分かってくるようになりました。細かくは申しませんが、副会長は無給、会長は報酬があるもののそれに見合わぬ、いずれも激務です。如何に本会の役員が滅私奉公であって弁理士全体に奉仕しているか、こちらは比較的早く分かりました。
一方、弁政連との接点は年に一回の支部総会しかなく、しかも予定時間をオーバーしてまでも自分たちの手柄話を云々かんぬん。実際は手柄話でないのですが、第一印象とは怖いもので刷り込まれているとそのように聞こえてしまいます。会費納入は任意だし、弁政連フォーラムもペラペラめくると「政治家と会ってきました!」という写真が毎回のように掲載されています。そんな活動のためなら会費はむしろ納入しないほうが正しいとすら当初は思ったものです。
しかし、私が大人になるにつれ、ということでしょうが、支部活動のみならず、近所づきあいでも町内会でもPTAでも、社会生活に身をおくと、組織論が重要でありまた物事を前に進めるには大なり小なり政治力が必要ということを痛感するようになりました。しかも、議員さんについては全然ダーティーでなくむしろクリーンであるということが分かってきたのです
(政治家の印象もメディアに刷り込まれていたということでしょうか)。
話が少しそれますが、私たちは特許権を取得するために、当たり前にマルチクレームを作成します。一本槍では心許なく、異なった切り口や方向性から多角的に展開していた方が有利かつ効果的であることを知っているからです。また、請求項は、単に特許がとれるクレームでなく、裁判で権利侵害を問いやすいクレームを意識しながら作成します。すなわち、おしりを見据えながら戦略を練っていきます。それが出願人の利に叶うからです。
弁政連も同様です。すなわち、本会は単独では十全でなく、異なった切り口である弁政連の存在ないし活動により、本会活動が有利に展開していく場面が、実は多々あります。そしてその成果は当然我々に還元されます。また、特許成立の判断、特許侵害の判断、これはすべて法律に基づきます。法律を成立させるのは、とどのつまり、議員です。法律成立や改正を例に挙げれば最終判断者である議員に働きかけることは、何も弁理士のエゴを通せといっているのでなく、終局的には産業の発展となる、依頼者のためと考えているからおこなう、というのが弁政連のロビー活動の実体です。エグくもなければ何らやましくもありません。私の場合は、支部役員を連続して拝命した関係で組織力を学ぶ中、本会活動をみるにつけ弁政連の重要性を認識できるに至りました。

弁政連の活動→本会の成果→弁理士へ還元→終局的には依頼者の利益!
まとめるとこんな感じです。滅私奉弁ですね(弁は弁理士であり弁理士会本会です)。

さて、私の今後の活動方針ですが、喫緊かつ長年の課題である弁政連会費納入率を如何に上昇させるか、をテーマにしたいと思っています。特に、いま地方支部に所属していますので、小さな支部で納入率を向上させることによる、大支部への効果波及に取り組んでいきたいと考えています。

最後にキーセンテンスをいくつか。

 〇弁理士登録をすると、原則、弁政連の会員となる。
 〇弁政連会費は、政治性があるので納付を強制できない。
 〇弁政連は、巷にあるような、本体に付随した互助会のような、会費納入が任意な会とは性質も本質も全く異なる。
 〇弁政連の活動原資は弁政連会費であり、(政治性のため)本会から予算手当はない。

弁政連は、マンパワーも十分ではなく、会員との接点も少ないのが現状です。会費納入いただいています会員の方には是非、未納入の方に活動実体をお伝えいただき、会費納入の声かけをしていただけますよう、切にお願い申しあげます。


この記事は弁政連フォーラム第257号(平成26年7月15日)に掲載したのものです。
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